米Skyriderは12日、分散P2Pネットワークの中を流通する動画にターゲット広告を挿入するソリューションサービスを開始したと発表した。分散P2Pネットワーク内における同種のサービスとしては初めての試みとなる。
Skyriderのサービスを利用する場合、まず映画会社やレコード会社などのコンテンツホルダーは、広告を入れるコンテンツを指定してSkyriderに提出する。Skyriderは既にP2Pネットワークの検索技術を保有しており、ユーザーがP2Pクライアントで検索を行なうと該当する検索結果を表示する。Skyriderはそのユーザーがどこにいるかをジオターゲッティング技術によって確認し、コンテンツの内容に最も適切な広告を挿入する。一度に1つから3つの広告が挿入される。この広告は動画と同時にダウンロードされ、ともに再生される。このような仕方で配布されたコンテンツと広告のデータはSkyriderにより集計され、コンテンツホルダーはダウンロード数、視聴回数、地域ごとの視聴回数などのデータを分析できる。
Skyriderは2003年の創業時からP2Pネットワークの商業的可能性に賭けてきた。今回の発表でSkyriderのCEOであるEdward Kozel氏は「P2Pネットワークは、2010年に30億ドル規模に達すると予測されている動画広告市場のためのとてつもない配信チャネルとなる」と指摘。その根拠として、P2Pネットワークの毎日のトラフィックがYahoo!やGoogleよりも多いこと、北米だけで6,000万人の利用者がおり、毎日2,000万人のユニークビジターがいること、利用者はテクノロジーに詳しい14歳から28歳の男性が多く、音楽やエンターテイメントに強い関心があることなどを挙げている。
SkyriderはこれまでP2Pネットワークを商業的に成功させ、コンテンツホルダーと広告主に利益を生み出させるような技術開発を行なってきた。同社には大手ベンチャーキャピタルのSequoia Capital、Com Ventures、Charles River Venturesが出資している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.skyrider.com/about/pressFed12_2007.php
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・ Sequoia Capitalが出資する謎のP2P企業「Skyrider」が秋に新製品を発表(2006/08/04)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/13 11:56
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