米国では携帯端末「BlackBerry」がビジネスマンに人気を博し、これを持って街中を歩く姿が一般的になった。こうしたBlackBerryや「Palm Treo」などのスマートフォンが増加するにつれて、米国の労働者たちは仕事と生活の境界線を定めることが難しくなっていることが、米調査会社Solutions Research Groupの最新調査結果によって明らかになった。
実際、スマートフォンが生活に自由をもたらすか、それとも仕事に縛り付けるための鎖となっているかどうかについて、米国の労働者の見解はほぼ二分されていると言っていい状況となっている。
調査結果によると、「BlackBerryのようなデバイスはあなたを自由にするよりも、より仕事に縛り付けている」との文章に対して、賛成した人は33%、反対は34%、中立は34%だった。BlackBerryやそれに類似したデバイスを実際に保有している人に同じ質問をしたところ34%が賛成、37%が反対、29%が中立という興味深いデータも得られた。
スマートフォンの影響で労働時間は増加傾向にあることも判明した。50時間以上労働している人の割合は、全体平均では11%だったが、BlackBerryや類似デバイス保有者では19%と大幅に上回っている。
また、「自分の時間が十分に持てない」との文章に対しては、BlackBerryや類似デバイス保有者の53%が賛成しており、全体平均の40%を上回った。スマートフォンが自由な時間を奪っている可能性が伺われる。この傾向は特に女性利用者で顕著で、65%が賛成していた。
さらにBlackBerryや類似デバイス保有者に対して「時間」と「お金」のどちらを選ぶかを尋ねると、56%は時間を選び、44%はお金を選んだ。
このように人生に大きな影響を与えることがわかるスマートフォンだが、平均的な利用者像も判明した。平均的利用者像は35歳で、54%が大学卒、61%が子供がおり、平均年収は9万4,000ドルで米国平均より50%以上高かった。
この調査は、偏向した調査にならないようにSolutions Research Groupが独自に行なったもので、2006年夏に電話とインターネットで合計2,600人の米国人に対して実施された。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文、PDF)
http://www.srgnet.com/pdf/BlackBerry%20Backlash%20(SRG%20%20Report%20Feb%2007).pdf
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/16 13:25
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