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ネット上の権利侵害、発信者情報の開示基準でISPにガイドライン


 プロバイダ責任制限法ガイドライン等協議会は26日、「プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン」を策定し、公表した。

 ガイドラインでは、インターネット上のプライバシー侵害や名誉毀損、著作権侵害などについて、権利侵害を受けた被害者からISPや掲示板運営者などに対して、発信者の身元情報を開示するよう請求があった場合に、開示するかどうかの判断基準や手順を示している。また、Webサイトや掲示板にとどまらず、P2Pファイル共有ネットワークにおける発信者情報の開示についても言及している。

 法律上では、権利侵害が明らかであれば、被害者がISPなどに対して発信者の身元情報の開示を請求できるとされているという。しかし、権利侵害の基準が明確ではなく、ISPが判断を誤って開示した場合には刑事上の責任を問われることもある。そのため、裁判所に情報開示が認められるまでISPなどが独自に判断を下すことは難しかった。ガイドラインでは、発信者情報の開示が認められた裁判例も参考として挙げている。

 今回のガイドライン策定にあたっては、事前に案を公表し、1月10日から2月9日までパブリックコメントを実施。57件の意見が寄せられた。

 プロバイダ責任制限法ガイドライン等協議会は、テレコムサービス協会、電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダー協会の3団体で構成されているが、「インターネット上の情報流通による権利侵害については、本協議会参加者相互間のみで問題となるものではないため、本ガイドラインが本協議会の参加者以外の者によっても活用することが望まれる」としている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.telesa.or.jp/consortium/provider/2007/20070226.htm

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( 永沢 茂 )
2007/02/26 19:31

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