ヤフーは26日、インターネット技術の研究を行なう「Yahoo! JAPAN研究所」を4月1日に設立すると発表した。「インターネットの今後の予測」「基礎研究」「応用・商用研究」を軸に活動する。
今回の研究所は、Yahoo! JAPANのサービス開始10周年記念事業として2006年3月に発表された「Yahoo!ラボ」を実現したもの。ヤフー内の一部門として設立し、所長には、ヤフーの井上雅博代表取締役社長が就任。最高技術顧問は、慶應義塾大学の村井純教授が務める。当初のスタッフは10人程度だという。
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ヤフーの井上雅博代表取締役社長
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慶應義塾大学の村井純教授
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Yahoo! JAPAN研究所では、今後、インターネットが利用者の生活に与える影響などについて調査・予測を行なうほか、情報検索や情報デザイン、自然言語処理などの基礎研究(2年以上)、他の機関と連携した応用研究(1~2年)、Yahoo! JAPANの各サービス部門と連携した商用研究(1~2年)に取り組む。
ヤフー独自の研究以外にも、米Yahoo!の研究所「Yahoo! Research」との共同研究も行なう。Yahoo! Researchへは、技術交流を目的とした短・中期的な研究者派遣も予定する。また、研究成果をオープンにすることで、国内の産官学の各研究機関・組織と連携したコラボレーション型の研究も行なう予定だ。
研究テーマは、研究所内やYahoo! JAPANの各サービス部門からの提案に加え、社外の企業・団体との共同テーマ設定も予定する。現在想定するテーマとしては、情報検索や自動翻訳で用いる自然言語処理、ユーザーのクリックログやクエリログを利用した情報検索技術、Webサイト利用者の行動分析とサイトデザイン、有害画像・動画を高速に自動判別するメディア処理など。
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研究所の基本方針
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研究所の位置づけ
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研究分野の例
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研究テーマの例
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井上雅博所長は、「Yahoo! JAPAN研究所という部門を作ることで、インターネット業界における競争力を高めたい。また、今後、インターネットが人々の生活に貢献していく方向性を探り、欧米の真似をするだけではなく、日本ならではの新しいサービスを自ら作っていきたい」と説明する。さらに、研究員も新たに募集する予定で、将来的には30~40人のスタッフを揃えるという。予算は初年度で数億円以内とした。
村井純最高技術顧問は、「Yahoo! JAPANが始まって10年になるが、1997年頃にはインターネットのモデルは出来上がっていた。さらに、これまでの10年間で多くの経験を積んできたことにより、この先の10年を見通すことも可能になった」と説明する。また、「日本のインターネットに関する一番多くのノウハウやデータを蓄積しているのがヤフー。そこがインターネットの将来を研究するということで、大いに期待している」と語った。
26日に開かれたYahoo! JAPAN研究所の発表会ではこのほか、評判情報抽出技術やオンラインクラスタリング技術、根本的なフィッシング詐欺防止技術など、これまでにヤフーが開発した技術をパネルで紹介するコーナーも設けられた。
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評判情報抽出技術
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オンラインクラスタリング技術
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フィッシング詐欺防止技術
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コンテント連動広告配信技術
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パネル展示風景
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インターネットに関する調査・研究活動
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関連情報
■URL
Yahoo! JAPAN研究所
http://docs.yahoo.co.jp/info/notice34.html
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・ ヤフーと産総研、パスワード相互認証プロトコルでフィッシング防止(2007/03/23)
( 野津 誠 )
2007/03/26 18:30
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