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Web経由で感染するウイルスが増加傾向、トレンドマイクロ3月調査


 トレンドマイクロは3日、3月度の「ウイルス感染被害レポート」を発表した。数多くのウイルスに被害が分散しながら、Web経由の感染を中心に報告件数は全体的に増加しているという。

 ウイルス感染被害の総報告数は7,709件で、先月の6,400件から増加した。3月に最も多くの被害を出したのは、バックドアの「BKDR_AGENT」の170件で、先月の67件から急増している。2位の「TROJ_VUNDO」(134件)や3位の「TROJ_DLOADER」(86件)、4位の「TROJ_ZLOB」(48件)はトロイの木馬。これらは主に、悪意のあるWebサイトなどを介してコンピュータに感染した後、指定されたWebサイトから亜種や別の機能を持つ不正プログラムをダウンロードする。特に最近では、感染コンピュータによるスパムメール代理配信のために、メール送信プログラムやメールアドレス収集プログラムをダウンロードさせる事例が増えているという。

 スパムメールによる大規模な不正の例としては、株価操作を狙う詐欺的手法が挙げられる。この手法では、まずインサイダー情報を装い、ある安値の株が高騰するという内容のスパムメールを大量送信する。スパムメールの内容を信じた投資家がその株を買い付け、実際に価格が上がったところで売り抜けることを狙うものだ。現在のところ国内の株が狙われた事例はないが、米国ではスパムメールによる株価操作が確認されたことを受け、3月8日に証券取引委員会(SEC)が35銘柄の株の取引停止措置を行なうなど、大きな社会問題になっている。

 なお、3月では実在する国内の金融機関を装ったフィッシングサイトの存在が確認されている。トレンドマイクロでは、Web上で個人情報を記入する際は、URLの確認など、正規サイトかどうかを判別するだけでなく、セキュリティ対策ソフトのパーソナルファイアウォール機能の活用などを推奨している。

 このほか、新種ウイルスとしてはトロイの木馬「TROJ_ZLOB.CVK」が報告されている。TROJ_ZLOB.CVKは、動画再生に必要なビデオコーデックと偽って特定のWebサイトからダウンロードされる。この不正プログラムが実行されると、DNSサーバー設定を改変され、悪意のあるWebサイトへ誘導される恐れがあるという。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2007/mvr070403.htm

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Web経由で侵入するトロイの木馬被害が急増、トレンドマイクロ2月調査(2007/03/06)


( 増田 覚 )
2007/04/03 13:36

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