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年齢層別に見た携帯関連の相談者(国民生活センターのニュースリリースより)
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国民生活センターは、全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)に寄せられた携帯電話関連の相談で、パケット通信料に関する相談が増えているとして、問題点を指摘するとともにユーザーへ注意するよう呼びかけている。
PIO-NETに寄せられた携帯関連の相談件数は、年々増加傾向にある。その中で、パケット通信料に関する相談は、2003年に急激に増加した後、2004年からは全体の16%前後を占める形で推移しているという。相談を寄せる人を年齢層別に見ると、未成年が23.9%、20代が15.5%、30代が24.2%、40代が22.6%、50代が9.2%、60代が3.2%、70代以上が1.3%となっている。また相談された事例における携帯キャリアからの平均請求金額は、2004年まで8万円台だったが、2005年は12万8,135円、2006年は15万5,216円と急激に上昇している。
定額制を利用していないケースでは、店舗で着うたフルについて説明を受け、そのまま1カ月間に5曲ダウンロードしたらパケット通信料が32,000円に達したというものや、親名義の携帯電話を子供に使わせていたところ、子供は無料サイトを利用したために料金がかからないと思っていたが、実際には高額の通信料が請求されたという事例があった。後者のケースでは、接続先のサイトについて情報公開を求めたがキャリア側に拒否された、とされている。
また定額制を契約しているにもかかわらず、発生したトラブルとしては、パソコンと携帯電話を接続してインターネットサービスを利用し、4日間で約52万円という料金に達したり、キャリアから「120万円に達した」という連絡があったケースが紹介されている。また、海外でネット接続を利用して、帰国後に13万円という請求を寄せられたケースもあったという。同センターでは、「いずれもパケット定額制を契約しながら、その対象外とされる使い方をしたため。しかし消費者は対象外であることを知らず、請求が来て初めて気づいた」とこれらの事例の背景を説明している。
こうしたトラブルが発生した要因として、同センターでは5つの問題点を挙げている。1つ目は「パケット料金についての説明が不十分で、消費者が十分理解できていない」ということ、2つ目は「定額制の対象外について注意喚起が不十分」となっており、店頭などでキャリア側からユーザーへの説明が十分に為されていないとの認識が示されている。
このほかの要因としては、「契約者以外が利用することで予想以上の高額になる可能性がある」という利用者側の運用上の問題や、「ダウンロードするファイルのサイズが分からない」「接続先の確認ができない場合がある」という技術面での課題も指摘されている。
これらの事例を踏まえて、国民生活センターでは、消費者に対して「料金プランやオプション契約の内容などを十分に確認する」「定額制でも対象外があることに注意する」、「子供に使わせる場合は利用法など話し合う」「料金はこまめにチェックする」よう呼びかけている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20070405_2.html
( 関口 聖 )
2007/04/06 14:39
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