「携帯電話事業への参入を断念する」という一部報道について、アイピーモバイルは「ノーコメント」としている。
同社は、TD-CDMA方式でデータ通信を中心に据えた移動体通信事業の参入に向けた活動を行なってきた。2005年11月には、イー・モバイル(事業開始済)やソフトバンク(既存事業者買収で参入)とともに、免許が交付され、「2GHz帯で2006年10月にサービスをスタートする」というスケジュールが発表された。その後、事業開始を2007年春に延期すると発表され、TD-CDMA方式でのフィールドテスト計画が発表されたが、2007年1月には、商用サービスが2007年秋にずれ込む見通しが明らかにされていた。
今回、一部報道では「資金調達が困難なため、参入を断念。総務省に周波数を返上する」とされているが、アイピーモバイル広報は「現時点では何も述べられない」としている。近日中に記者会見が開催され、何らかの発表が行なわれる見込みだ。
なお、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課では「所管官庁として、(アイピーモバイルによる)事業開始に向けた取り組みの推移を見てきた。現時点で正式な報告はない」としている。
また、アイピーモバイルに対して1億円出資している(出資比率1%)のSEホールディングス・アンド・インキュベーションズは、「正式な発表と説明を確認した上で、2006年度決算で出資額全てを減損処理する予定」というコメントを発表している。また、同じく出資しているIIJは「正式な発表がなされていない現時点ではノーコメント」としている。
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■URL
アイピーモバイル
http://www.ipmobile.jp/
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( 関口 聖 )
2007/04/09 13:52
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