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欧州委員会、欧州特許制度について改革推進を表明


 欧州委員会は20日、ドイツ・ミュンヘンにある欧州特許庁(EPO)において開催された欧州特許フォーラムおよびPatinnova 2007会議において、欧州連合(EU)の発展のためには、現在の欧州特許システムには欠陥があり、いわゆるコミュニティパテントの導入を推進すべきとの考えを有していることを明らかにした。同フォーラムの開会式において、スピーチを行なった副委員長のGuenter Verheugen氏が明らかにした。

 このスピーチでは、世界競争の中で欧州のビジネスが不当に低い競争環境に置かれており、特に欧州では特許制度が未だ各国ごとに権利行使をする制度となっていることから、20年の特許期間のトータルでは、米国や日本の9倍もの費用がかかり、これが競争力を低めていると指摘している。

 欧州では、1977年から欧州特許条約に基づいて、ミュンヘンにEPOを開設し、欧州特許の審査から権利付与まで統一されたシステムを導入している。しかし、権利付与後の権利行使は各国の裁判所においてなされ、権利の無効審判についても各国ごとになされているの現状。登録費用も国ごとにかかるため、結局、主要国に登録すると平均して9倍かかるというのはまさに実感として理解できる数字といえる。

 今回のスピーチでは、欧州と米国との間の技術協力や知的財産権に関する交流のほか、欧州と中国との関係も重視。知的財産権については、海賊版などの侵害行為を中心に両国間の利益調整を図っていく予定だとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.epo.org/focus/news/2007/070420.html

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( Gana Hiyoshi )
2007/04/23 12:26

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