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ソースネクスト、Web上で利用できる無料のOfficeサービス「ThinkFree」


 ソースネクストは14日、新サービスやソフトの発表会を開催した。ThinkFree, Inc.との独占提携により、Web上でOfficeファイルを編集できる「ThinkFree てがるオフィス」ベータ版を同日より開始する。


1GBのオンラインディスクも無料で提供。9月に正式サービスを開始

ThinkFree おてがるオフィス
 「ThinkFree てがるオフィス」は、専用ソフトをインストールすることなくワープロ・表計算・プレゼンテーションファイルをWeb上で作成できるサービス。MicrosoftのOfficeソフトとの互換性が特徴の1つで、Word、Excel、PowerpointのファイルをThinkFreeで編集できる。なお、マクロやピボットテーブルなど、Officeソフトの一部機能はサポートされていないほか、ベータ版では一部が英語表記になっている。

 ThinkFreeで作成したファイルはPCに保存できるほか、Web上にもファイル保管用に1GBのディスク容量を用意。Web上に保存したファイルは他ユーザーへの公開も可能で、6月にはWeb上に保存された公開ファイルの検索機能と共有機能をベータ版として公開する。

 ファイルにはタグが付与でき、キーワードの検索が可能。ユーザーがファイルを評価できる機能も搭載し、評価順やアクセス数順などでもファイルを検索できる。また、保存されたファイルをブログやホームページなどで引用できる機能も提供する。

 公式コンテンツの提供も予定し、第1弾としてインプレスジャパン、エクスメディアと提携。見積書のフォーマットといったOfficeソフトのテンプレートをThinkFreeで提供していく。


TOPページ ThinkFree てがるワープロ

ThinkFree てがる表計算 ThinkFree てがるプレゼン

Webサービスのため異なるPCからも同じ環境で利用できる
 ベータ版公開を踏まえて9月には正式版サービスを公開し、同時に有料サービスも開始する。有料サービスではオフラインでファイルを作成し、オンライン時にWeb上と同期できる機能や、保存容量の拡張などを検討しているという。2007年秋にはパッケージ版も公開し、有料サービスと無料版で表示される広告を合わせて収益化を図っていくとしている。

 ThinkfreeのCEOであるTJ Kang氏は、「ThinkfreeがGoogleに勝っているところはMicrosoftとの高い互換性だ」とアピール。Googleの「Google Docs & Spreadsheets」で開けないファイルもThinkfreeであれば対応可能であり、インターフェイスもOfficeソフトと非常に近いために違和感なく利用できるとした。

 ソースネクストとの提携については「現在はデスクトップ向けの製品を開発しているが、ビジョンは我々と同じものを持っており、アグレッシブな企業だ」と評価。「我々の専門性や技術的ノウハウと、ソースネクストの持つ日本市場の知識やマーケティング能力を組み合わせることで、次のWeb 2.0への新しい波を作り出せる」と自信を見せた。


1GBのアップロード領域を無料で用意 オンラインでのファイル共有が可能

ThinkFreeの強み ThinkFreeのオンライン利用実績

インプレスジャパンとエクスメディアがコンテンツ協力 今後の展開予定

インストールまでの作業を簡易化する「1クリック・ダウンストール」

特許出願中の「1クリック・ダウンストール」
 2007年9月よりサービスを開始する「1クリック・ダウンストール」も紹介。これはWeb上でソフトを購入した後に必要な、ダウンロードからインストールまでの作業を1クリックで行なうための仕組みで、ソフトウェアでは同技術の特許を出願中だという。

 Webサイトでソフトを購入後、PCのデスクトップから「1クリック・ダウンストール」のアイコンをクリックすることでソフトウェアのダウンロードから解凍、インストール開始までの手順を自動で実行。現在ソースネクストのソフトウェアに搭載されている自動インストールと組み合わせることで、インストールまでを1クリックで実行できるという。

 9月には対応ソフト200タイトルを揃えてサービスを開始。2008年3月までには1,000タイトルまでソフトを拡充するとしている。なお、1クリック・ダウンストールの利用には専用ソフトをインストールしておく必要があり、専用ソフトの対応OSはWindows Vista/XP/2000/Me/98/98SE。

 ソースネクストの代表取締役社長を務める松田憲幸氏は、「ダウンロードはいつでも買えてすぐ使え、送料もかからないと便利なのに市場は広まっていない」とした上で、「音楽のダウンロード市場は急成長しており、特にiTunesが伸びている」と指摘。iTunesのダウンロード方法に着目した結果、この「1クリック・ダウンストール」が生まれたとした。

 iTunesについて松田氏は、「コンテンツや使いやすさといった要因もあるが、楽曲をクリックしてすぐに購入・ダウンロードできるという手軽さも魅力」とコメント。「PCのダウンロードはどこにダウンロードしたかがわかりにくく、どのファイルを選べばインストールできるのかも初心者には難しい」と指摘し、「1クリック・ダウンストールによってダウンロード版を購入するユーザーの拡大を期待している」とした。


音楽のダウンロード市場は急速に成長 iTunesの音楽ダウンロード方法に着目

ソフトを購入後、デスクトップのアプリケーションからソフトをダウンロード 対応ソフトと組み合わせることでインストールも自動で処理

セキュリティソフト市場では月次シェア1位に

ThinkfreeのTJ Kang CEO(左)とソースネクストの松田憲幸代表取締役社長(右)
 ソースネクストのPCソフト市場におけるシェアなども発表。PC用セキュリティ対策ソフトでは2007年4月にベンダー別でシェア30%、製品別でシェア18.8%とそれぞれ1位を獲得。PCソフトの売上本数シェアも28.97%に達し、ソースネクストの過去最高シェアを記録した。売上金額のシェアでも2位となり、「売上2位は初めてではないが、2位の位置が安定してきている」(松田氏)。

 こうした好調の要因を松田氏は、更新料が無料のセキュリティ対策ソフト「ウイルスセキュリティZERO」にあると指摘。これを受けて携帯電話の管理ソフト「携快電話」シリーズでも、バージョンアップが無料の「警戒電話ZERO」を6月29日に発売する。価格はFOMA・ソフトバンクモバイル3G対応が3,970円、全キャリア用が4,980円。

 松田氏は「PCは携帯電話よりも圧倒的に便利ですばらしいツールであり、1人でも多くのユーザーに広めたい」とコメント。ウイルスセキュリティZEROやThinkfree、携快電話ZEROなど無料を特徴としたソフトウェアや、導入の敷居を下げる「1クリック・ダウンストール」などの展開により、PCユーザーの拡大を図っていきたいとした。


バージョンアップが無料の「携快電話ZERO」 イーフロンティアから取得した「筆王2007」も6月15日に発売。価格は3,970円

関連情報

URL
  ニュースリリース(ThinkFree)
  http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_thinkfree.html
  ニュースリリース(1クリック・ダウンストール)
  http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_downstall.html
  ニュースリリース(セキュリティソフトシェア1位)
  http://www.sourcenext.info/sp/press/070511_zero-no1.html
  ニュースリリース(携快電話ZERO)
  http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_keikai-zero.html

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( 甲斐祐樹 )
2007/05/14 15:29

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