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米Googleが検索結果表示の統合を発表、画像やニュースなど一覧可能に

検索アルゴリズムのアップデートも準備中

 米Googleは16日、画像やニュースなど、これまで別々に分かれていた検索結果をまとめて表示することなど、同社の基幹ビジネスである検索エンジンにかかわる重要な発表を行なった。

 それ以外にも、Googleの検索結果順位を定める検索アルゴリズムのアップグレードの準備をしていることや新しいユーザーインターフェイスを発表したほか、実験的ユーザーインターフェイスも公開した。


検索結果を統合した「ユニバーサルサーチ」

 今回、Googleが発表したのは、動画、画像、ニュース、地図、書籍、Webに分かれていたサーチエンジンの検索結果を1つに統合し、表示することだ。これは同日付で、英語版のGoogleで開始されている。同社ではこのサーチエンジンの方向性を「ユニバーサルサーチ」と呼んでいる。

 例えば、スター・ウォーズの登場人物である「ダース・ベイダー(Darth Vader)」について検索するとしよう。ダース・ベイダーに関心を持つ人は、スター・ウォーズについて述べたWebページだけに関心があるわけではないのは明白だ。しかし、これまでは画像や動画を見つけたい場合、別々の検索行動をする必要があった。新たに導入されたユニバーサルサーチによって、一度検索するだけですべての情報が入手できる。

 実際、ダース・ベイダーを検索してみると、ダース・ベイダーのパロディ動画、画像、スター・ウォーズ製作元のルーカスフィルムに関するニュース、ダース・ベイダーを演じた俳優に関するWebサイトなどがそれぞれ重要な順番にランキングされ、まとめて表示される。一度検索するだけですべての情報が手に入ることは、ユーザーの利便性を大幅に高めると言える。

 このユニバーサルサーチでは、まだすべてのデータが反映されているわけではないという。反映されるデータの量は、時間とともに徐々に増えていく。Googleでは、このユニバーサルサーチの検索結果を取り扱うために必要な計算パワーを確保するために新しいインフラを構築し、配備するプロセスにあるという。そして、これに合わせて、検索順位を決定するためのランキングメカニズムをアップグレードする予定だ。

 アップグレードされたランキングメカニズムの詳細は明らかになっていないが、動画、画像、Webなどさまざまなタイプの情報を比較できるという。これまでと同様、Googleの検索結果はアルゴリズムによって自動的に決定されるとしている。これについて、Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるUdi Manber氏は「Googleにおける検索イノベーションのレベルとスピードは増加した。ほとんどのイノベーションは基本的なランキングアルゴリズムの問題を修正しており、ユーザーが気付くことはほとんどない。ユーザーはただ、より正確な結果をより頻繁に、より多くの言語で見ることになる。それが我々の主要な目標だ」とコメントするにとどまった。


各種サービスへのリンク表示が変更された「Google.com」トップページ
 ユーザーインターフェイスにも変更が加えられた。検索結果のすぐ上に、関係のある情報へのリンクが表示されるようになったことはその1つだ。例えばプログラミング言語の1つである「python」と入力すると、Google Blog Search、Google Book Search、Google Groups、Google Codeを検索できるリンクが表示される。これにより、別の検索を行なえばさらに詳しい情報が得られることをユーザーに通知する。

 また、「Google.com」トップページのユーザーインターフェイスも変更された。これまでは、検索フォームの上にGoogleのさまざまなサービスへのリンクが表示されていたが、これからは左欄上部にGmail、Google Calendar、Google Docs & Spreadsheets、Picasa Web AlbumなどのGoogleサービスや製品へのリンクが表示される。


キーワードの出現頻度の時系列表示や地図表示の実験も

 これら正式サービスとして発表されたものに加えて、Googleでは新たにサーチエンジンにかかわる実験的なサービスも公開した。これは、Google Labsの中で公開された「Google Experimental Search」である。このサイトでは、サーチエンジンに関係するさまざまな実験的技術が公開され、ユーザーからのフィードバックに基づいて改良されていくことになっている。

 今日の時点で公開されているのは4種類のサーチエンジンとユーザーインターフェイスだ。興味深いのは検索語句の出現頻度を時系列、地図上に表示する機能だ。例えば「Albert Einstein」や「George Washington」などと入力すると、出現頻度とともにその人物の人生を概観できるような検索結果が表示される。また地図上に出現頻度を表示させることもできる。

 別の実験では、サーチエンジン検索結果画面でのキーボードショートカット機能が用意された。ユーザーインターフェイスの実験として、左欄や右欄に表示されるリンクから、徐々に検索結果を絞り込んでいくインターフェイスが公開されている。


検索結果の時系列頻度表示 地図表示

関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/universalsearch_20070516.html
  Google Experimental Search(英文)
  http://www.google.com/experimental/


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/05/17 13:23

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