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マイクロソフト、Windows Server 2008とVistaの連携をアピール


マイクロソフトのジェイミソン本部長
 マイクロソフトは18日、Windows VistaやWindows Server 2008など、Windowsプラットフォームに関する記者説明会を行なった。

 マイクロソフト業務執行役員Windows本部のジェイ・ジェイミソン本部長は、Windows Vistaの最新状況を説明した。同社の調べによると、日本におけるWindows Vistaの認知率は90%。「我々が日本でやってきたことが実を結んだ。マイクロソフト全体のエコシステムを表わすものである」とした。

 また、約200万のデバイスをサポートし、28,000以上のドライバが利用可能。9,000以上のデバイス・ハード・プロダクトがWindows Vistaのロゴを取得しているという。アプリケーションでは、1,700種以上がロゴを取得。また、主要フリーソフトが正式対応を進めており、「コンシューマエリアでの広がりにつながる」(ジェイミソン本部長)とした。

 このほか、企業導入の推進については、ソフトウェア導入・管理ツール「Microsoft Desktop Optimization Pack 2007」を7月1日から提供開始することを明らかにした。

 Windows Vistaのハードウェア関連技術では、ハイブリッドHDDに対応した機能「Windows ReadyDrive」、補助ディスプレイ機能「Windows SideShow」、ホームネットワークを実現する機能「Windows Rally」を紹介した。

 Windows ReadyDriveは、HDDに搭載した大容量メモリにキャッシュとしてデータを保存することで、HDDへのアクセスを少なくし、起動時間の短縮や省電力を実現するもの。NEC製のPC「VALUESTAR N」に採用されている。

 Windows SideShowは、ディスプレイを持つさまざまなデバイスとPCを連携させるもので、2007年第3四半期をめどにWindows Mobileへの対応を予定する。これにより、携帯端末の画面をPC上に表示させることも可能となる。

 Windows Rallyは、PCと周辺機器、ネットワーク家電などの接続を自動化するもので、無線ルータや無線LAN搭載デジタルカメラは既に対応製品が発売されている。無線LAN搭載のプロジェクタも近日発売される予定だ。


Desktop Optimization Pack 2007の構成 ハードウェア関連技術

VistaとWindows Server 2008の連携が肝

サーバープラットフォームビジネス本部の五十嵐本部長
 マイクロソフト業務執行役員サーバープラットフォームビジネス本部の五十嵐光喜本部長は、Windows Server 2008について、「管理機能」「保護機能」「柔軟性」といった3つを向上させることを念頭に開発したと説明。「Windows Server 2008では、手動による管理業務の削減や、高いセキュリティコンプライアンスの実現、変化するビジネスニーズには仮想化によって対応する」とした。

 セキュリティ機能と仮想化については、デモが行なわれた。Windows Server 2008とWindows Vistaを組み合わせることで、ネットワーク、脆弱性、データ、アプリケーションの多層防御を実現。ネットワーク検疫機能「Network Accesss Protection(NAP)」や、Windows VistaのHDD暗号化機能「BitLocker」をWindows Server 2008にも搭載していることをアピールした。

 NAPは、ネッワークに接続するPCの状態を確認し、事前に定めたセキュリティポリシーと準拠していることを確認するまでアクセスを制限する機能。アクセス制御されたPCは、通常のネットワークとは別の検疫用VLANに接続されている状態。ユーザーは、イントラネットを通じて、セキュリティポリシーを確認し、決められた設定などを行なうことでネットワークに接続できる。

 ハードウェアの仮想化では、まず「Windows Server Virtualization」を説明。これは、ハードウェア上に直接仮想レイヤを作るもので、ホストOSが不要なため、柔軟なハードウェアの仮想化が可能という。このほか、アプリケーション仮想化ツール「SoftGrid」や、プレゼンテーションレイヤの仮想化として「Windows Server 2008 ターミナルサービス リモートプログラム」を紹介した。

 Windows Server 2008は、2007年4月にベータ3が提供されている。配布数は約1カ月半で25,000を突破し、トレーニング受講者は約2,500名になるという。さらに、対応アプリケーションを約120社が開発中で、「今までにない早い立ち上がり」とした。今後、2007年第3四半期には最終公開ベータとしてRCをリリースし、第4四半期には製造工程向けリリース(RTM)を行なう予定だ。

 最後に五十嵐本部長は、「VistaとWindows Server 2008は同じカーネルで、ネットワークスタックにおいて、Windows 95以来の書き換えを行なった。共通のシングルアーキテクチャのTCP/IPプロトコルスタックを作ったことにより、VistaとWindows Server 2008を一緒に使うことで、ネッワークのコミュニケーションが最適化され、高いスループットを実現する機能も備えている」とアピールした。


Windows Server 2008、3つの柱 VistaとWindows Server 2008による多層防御 マイクロソフトの仮想化技術戦略

関連情報

URL
  Windows Server 2008
  http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/default.mspx

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( 野津 誠 )
2007/06/19 11:05

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