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アマゾンジャパンのジャスパー・チャン代表取締役社長(左)と、丸善の小城武彦代表取締役社長(右)。26日に行なわれた記者会見で
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共同ブランドストアのトップページ。「MARUZEN Teamed with Amazon.co.jp」のロゴが入る
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丸善は26日、一般顧客向けのオンラインショッピングサイトをAmazon.co.jpと共同で運営する契約を締結したと発表した。共同ブランドストアを8月下旬にオープンする。Amazon.co.jpが日本の書店と共同ブランドストアを運営するのは丸善が初めてだという。
丸善は、同社が運営してきたサイト「丸善インターネットショッピング」をリニューアルするにあたって、単独での事業からAmazon.co.jpとの共同ブランドでの運営に切り替える。Amazon.co.jpのノウハウをベースにした検索システムや受注システム、カスタマーレビュー、マイページなども利用できるようユーザーの利便性を図るという。
共同ブランドストアの商品ラインナップは、Amazon.co.jpで現在扱っている書籍やCD、DVD、家電など全商品に加えて、丸善が店頭で販売しているオリジナルの文具や雑貨などが加わる予定。決済方法も、従来の丸善インターネットショッピングで対応していたクレジットカードのほか、コンビニやATM、インターネットバンキング、Edyによる支払いなど、Amazon.co.jpで対応しているすべての支払い方法が利用できる。
このように、共同ブランドストアは全面的にAmazon.co.jpのシステムの上に構築されており、ページデザインなどもAmazon.co.jpのものを踏襲。ページ上部に「マイストア」「本」「洋書」「エレクトロニクス」から「ベビー&マタニティ」までのAmazon.co.jpおなじみのタブが並び、その中に丸善オリジナルの文具と雑貨を扱う「丸善オリジナル」のタブが追加される。
注文を受けた商品も丸善の店頭在庫からではなく、Amazon.co.jpの在庫から発送され、物流もAmazon.co.jpが担当する。一方、丸善は書店員による書評やコメント、独自のテーマによる企画などのコンテンツ面など、ブランディングと販売促進を担当する。なお、従来の丸善インターネットショッピングは廃止されるため、既存ユーザーはAmazon.co.jpに会員登録し直す必要があり、追って告知していくという。
丸善の小城武彦代表取締役社長は、独自のショッピングサイトを廃止し、Amazon.co.jpとの共同ブランドストアに移行するに至った経緯について、「1社が独自に国内市場だけを対象にしてシステム投資を行なっていた事業のサービスレベルと、Amazonのようにグローバルなサービスを展開し、その規模で投資しているサービスレベルでは顧客満足度ではかなりの開きがある」とコメント。自社だけで継続して展開していくよりも、Amazonの力を借りながら丸善のブランドを付加していくほうがユーザーにとって価値のあるサービスを提供できると判断したと説明した。実際、検索システムやユーザーレビューなどは従来の丸善にとって「弱かったところ」だと認めており、共同ブランドストアでは商品の選びやすさや注文のしやすさ、物流などが格段に改善されるとしている。
なお、両社の具体的な契約内容は公表していないが、売上に応じて丸善が報酬を得るかたちだという。丸善のインターネット販売による売上は減少するが、システムコストを大幅に削減できるとともに、利益も増加すると見ている。
関連情報
■URL
共同ブランドストアインフォメーションページ
http://www.amazon.co.jp/maruzen-info/
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http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0919/virgin.htm
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( 永沢 茂 )
2007/06/26 16:40
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