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Wipseの概要
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マイクロソフトなど9社は27日、Windowsプラットフォームとサービス推進のためのコミュニティ「Wipse(ワイプス)」を発足した。Open XML、Windows Live API、Silverlight、WSSRA(Windows Server System Reference Architecture)のテクノロジーの紹介、技術検証などを行なう。
Wipseは、「Windows plus services」の略で、Windowsプラットフォームとサービスを融合した新製品の開発や相互運用の推進、新ビジネスの創出などを目的とする業界コミュニティ。各技術に関する部会を設け、ブログやSNS、メーリングリストを使った活動を行なう。年会費は60,000円。
マイクロソフト、イースト、シーイーシー、東証コンピュータシステム、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日本ユニシス、日立ソフトウェアエンジニアリング、富士通の9社が発起人会社となり、運営を行なう。会長は東証コンピュータシステムの松倉哲取締役社長。正式発足前に参加企業を先行募集し、40社で活動を開始した。
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Wipseの松倉会長
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Wipseの松倉会長は、コミュニティ設立について、「.NETビジネスフォーラムの流れを継承しているもの」と話す。「Windowsが出て15年経ち、新しいテクノロジーが山のようにある。.NETコンソーシアムで培った製品の紹介やソリューションを継承し、Windowsの新しいテクノロジーの基礎をソフト会社やSIに普及していくことが役目」とした。
Wipseでは、設立当初、「Open XML部会」「Windows Live API部会」「Silverlight部会」「WSSRA部会」の活動を中心に行なう。Open XML部会では、Open XMLを用いてデータを共有するための標準化について検証する。Windows Live API部会は、Windows Liveが提供するさまざまなAPIを用いたマッシュアップとそのビジネス化について検証する。
Silverlightは、Web上でリッチコンテンツを表示するためのプラグイン。Flashに対抗するクロスブラウザ・クロスプラットフォームとしてマイクロソフトが発表した。Silverlight部会では、Silverlightを活用したサービスやアプリケーションについて研究する。WSSRA部会では、大規模サーバーの構築・運用について検証する。
Wipse事務局長であるイーストの下川和男代表取締役社長は、「これからは、インターネットでいろいろなアプリケーションが連携していく。そうなると、複数のアプリケーション間で相互運用の実験をしていく必要がある。その実験の場を、Wipseが提供する」と説明。「マイクロソフトのサイトなどで無料で技術情報は出るが、それらを議論する場を有料のコミュニティで行なう」とした。
マイクロソフトの最高技術責任者である加治佐俊一氏は、「マイクロソフトとパートナー企業が連携して、日本から世界に向けた新しい技術を開発する場としてマイクロソフトイノベーションセンターを設立している。今後、Wipseでいろいろな技術を普及・啓蒙するための活動をしていくが、マイクロソフトイノベーションセンターと連携した実証実験なども行なっていくだろう」と述べた。
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Wipseの下川事務局長
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マイクロソフトの加治佐CTO
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Open XMLを活用したアプリケーションの例。Word 2007文書の音声読み上げ機能を持つ「Open XML Reader」
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Open XMLを用いたWord文書の部品化ソリューション「DocuDyne」のデモ画面
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Silverlightのロードマップ
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Silverlight 1.0と1.1の機能比較
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関連情報
■URL
Wipse
http://wipse.jp/
( 野津 誠 )
2007/06/27 18:40
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