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最良の指標は「総滞在時間」、Nielsen//NetRatingsが位置付け見直し


 米Nielsen//NetRatingsは10日、サイトの価値を推し量る指標として、「総滞在時間」を最良の指標と位置付けると発表した。

 同社はこれまでにもオーディエンス計測サービス「NetView」で、1人あたり平均滞在時間、1人あたり平均セッション数を報告していたが、今回新たに総滞在時間と総セッション数を指標として加えたことも明らかにした。

 Nielsen//NetRatingsは大きな影響力を持つインターネット調査会社であり、この決定によりこれまでページビューの多さからサイト評価が高かったGoogleは、サイト滞在時間では他社を下回ることになり、業界各サイトの価値が見直される可能性も出てきた。

 Nielsen//NetRatingsがこのように大きなランキング変動をもたらす指標の見直しを行なった背景には、近年の技術動向の変化があると説明する。近年増加してきたAjaxを利用したページでは、ページ全体を更新せずに、ページの一部分を動的に更新していく。また、ストリーミング技術を使用しているページも、ページ全体の更新が行なわれず、ページの中の一部のコンテンツや、メディアプレーヤーの中でコンテンツが動的に更新されていく。そのため、これらの技術を使用しているサイトでは、ページビューがサイトの価値を推し量る最も公平な指標とは考えにくくなってきた。

 こうした考察の結果、Nielsen//NetRatingsではサイト滞在時間がどれほどサイト価値を計測できているかを調べた。すると興味深い事実が浮かび上がってきた。滞在時間やページビューはサイトごとに大きく異なるのが当然だが、サイトのカテゴリによって、サイト同士の総滞在時間の比率の方がページビューの比率よりも安定している傾向が見られた。

 例えばGoogle SearchとYahoo! Searchを比較してみる。両社はともにサーチエンジンのカテゴリに属す。5月におけるGoogle Searchの総滞在時間は25億5,700万分、Yahoo! Searchは7億6,400万分で、両社の比率はGoogle対Yahoo!が3.3対1だった。一方、全く違うカテゴリであるMySpace.comとYouTubeを比較してみると、MySpace.com対YouTubeの総滞在時間の比率は3.6対1となった。

 しかし同じことをページビューで比較してみると大きく異なった結果が得られる。Google Search対Yahoo! Searchのページビュー比率は3.1対1となるのに対して、カテゴリが違うMySpace.com対YouTubeの比率は10.4対1と大きく異なる比率となった。こうしたことからサイト同士を比較する指標としては、ページビューよりも総滞在時間の方が適切であるとNielsen//NetRatingsは考えているとしている。


総滞在時間ではAOL Media Networkがトップに

 これを受けてNielsen//NetRatingsでは総滞在時間を指標として、米国におけるWebブランドトップ10を発表した。その結果、1位となったのはAOL Media Network、2位はYahoo!、3位がMSN/Windows Live、4位がFox Interactive Media(MySpace.comの親会社)、5位がGoogle、6位がeBay、7位がMicrosoft、8位がElectronic Arts Online、9位がApple、10位がYouTubeとなった。

 上位サイトの滞在時間が多かった理由としては、IMとメールの利用によるところが大きく、AOL Media Networkでは総滞在時間の63%、Yahoo!では54%、MSN/Windows Liveでは47%がそのために利用されていたという。

 これまでのユニークオーディエンスで計測したランキングでは、1位がGoogle、2位がYahoo!、3位がMSN/Windows Live、4位がMicrosoft、5位がAOL Media Networksとなっている。結果として、これまで首位の座を確保していたGoogleが、総滞在時間ではランキングを5位にまで大きく落としたことがわかる。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文、PDF)
  http://www.nielsen-netratings.com/pr/pr_070710.pdf


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/07/11 14:11

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