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富士フイルムが実験サイト公開、第1弾は関連画像検索エンジン


TRIPITの仕組み
 富士フイルムは24日、同社が開発した新しいソフトウェア技術を公開するWebサイト「FUJIFILM Internet Technology Labs」を開設した。第1弾として、画像にひも付けられた言葉を結びつけて関連画像を表示する画像検索エンジン「TRIPIT」を紹介し、その実証実験を行なうWebサイト「TRIPIT Labs」を公開した。

 TRIPITは、画像にひも付けられたタグやタイトル、コメントなどの言葉同士を、言語処理技術を応用して結びつけることで、1つの画像からその言葉に関連する画像を自動的に検索できる画像検索エンジン。例えば、「花」というタグのついた画像をキーワードにして検索すると、上位の意味を持つ「植物」、下位の意味を持つ「チューリップ」「あじさい」、並列の意味を持つ「ガーデニング」「鳥」などのタグがついた画像を表示することが可能だ。

 言葉同士の関連づけについては、オンライン百科事典「ウィキペディア日本語版」などインターネット上の言語リソースから、約1,500万通りの関連語彙体系を自動的に構築する独自のシソーラス(類語辞典の一種)を用いている。このシソーラスは、富士フイルムと、データベース構築を手がける株式会社サーバードメインが共同で開発した。

 TRIPIT Labsでは、TRIPITの機能を使ったWebアプリケーションを試作できるWeb APIを無償で公開。また、写真共有サイト「Flickr」の画像をTRIPITを用いて検索できる「Flickr画像検索」や、TRIPITを用いてウィキペディア日本語版の記事を自由に巡れる「Wikipedia記事検索」といったアプリケーションを公開している。

 Flickr画像検索は、任意のキーワードを入力して検索すると、そのキーワードに関する画像が画面中央に表示され、その画像の周辺に関連画像が表示される。例えば、「Tokyo」というキーワードで検索すると、Flickrで「Tokyo」というタグが付けられた画像が中央に表示され、その周辺には「丸の内」「銀座」「六本木」などのタグが付けられた画像が現われる。さらに、周辺の画像をクリックすると、その画像のタグに関連する画像が新たに表示されるという仕組みだ。

 Wikipedia記事検索では、ウィキペディア日本語版の記事の見出しがランダムに7つ登場する。ある見出しをクリックすると、その見出しが中央に表示されるとともに、関連する見出しが周りに表示される。例えば、「芦ノ湖」という見出しをクリックすると、「箱根観光船」「チョロ松」「箱根町」などの見出しが現われる。これらの見出しをクリックすると、ウィキペディア日本語版の該当記事を閲覧できる。


Flickr画像検索 Wikipedia記事検索

 富士フイルムによれば、TRIPITは画像検索だけでなく、タグやタイトルなどのメタ情報が付加されたコンテンツであれば、商品情報や動画などあらゆるコンテンツに適用可能という。そのため、これらのコンテンツを取り扱うECサイトや動画共有サイトなどさまざまな場面で活用できるとしている。

 富士フイルムはこれまで、イメージングや医療、印刷など高度な画像処理が必要な分野に向けた高画像デジタル画像処理ソフトなどの技術開発を進めてきた。今回開設したFUJIFILM Internet Technology Labsは、同社が開発したソフトウェア技術を、商用サービスとして導入する前に、より多くのユーザーに体験してもらいフィードバックを得る狙いがある。今後は、3カ月に1度のペースで新しいソフトウェア技術を公開する予定という。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/article/ffnr0128.html
  FUJIFILM Internet Technology Labs
  http://www.fujifilm.co.jp/corporate/tech/itlabs/index.html


( 増田 覚 )
2007/07/24 17:06

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