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自然文検索などで次世代サービスを目指す、NTTレゾナントが説明会


インスピリア合同会社の安井健太郎氏
 NTTレゾナントは26日、検索サービス市場の動向とNTTレゾナントが提供する検索サービス「goo」の取り組みに関する説明会を開催した。

 検索サービス市場の動向については、インスピリア合同会社の安井健太郎氏が主に米国の現状を説明。Googleの急速な成長を受けて、Yahoo!やMicrosftといった他社も追随しているが、依然として米国市場ではGoogleが検索シェアの50%を占めており、検索1回あたりの広告収入も他社に比べて高いといった状況を紹介した。

 一方、ヨーロッパ言語圏の各国ではGoogleのシェアが高いものの、韓国・中国・ロシアといった国ではGoogleのシェアは低く、言語や国の状況に合わせたサービス展開という面ではGoogleもまだ苦戦しているとした。

 安井氏は検索ベンチャーが取り組んでいる次世代検索へのアプローチを、編集者やエキスパートが事前に検索結果を選別する「ヒトによる介在」、自然言語解析・処理技術を活用する「セマンティクス」、Web 2.0型のコミュニティで共有される意見や情報を検索結果に活かす「Web 3.0」の3種類に分類。NTTレゾナントにとっても、「教えて!goo」などのWeb 2.0型サービスの資産の活用や、セマンティクス分野で和文検索の技術を活用することなどで、次世代検索へのチャンスが開けてくるだろうと述べた。


次世代検索のアプローチを「ヒトによる介在」「セマンティクス」「Web 3.0」の3種類に分類 ここでは、Web 2.0型のコミュニティから得られる情報を検索に反映させる手法を「Web 3.0」と分類している

NTTレゾナントの杉崎正之氏
 NTTレゾナントの杉崎正之氏は、gooの検索サービスの現状を紹介した。gooではWeb検索にはGoogleの検索エンジンを利用しているが、「専門検索」と「日本語対応」の部分で独自性を出していると説明。専門検索では、地域(ローカル)検索やグルメサーチといった独自のデータベースを構築し、通常のWeb検索だけではカバーしきれない範囲を埋めていくことで、幅広い領域をカバーできる検索サービスを目指しているとした。

 また、日本語対応については、「ラーメン」「らーめん」「拉麺」といった日本語の表記揺れを吸収する機能により、検索エンジンとしてはGoogleを使用しているが、検索結果はGoogleとは異なるものになっていると説明。このほか、アダルトフィルタリングや推薦ワードの提示、関連ワードの提示、検索履歴といった独自の機能により、使いやすさを向上させているとした。

 日本語解析技術を用いたサービスとしては、ブログ検索における評判分析や、話し言葉調の質問文から答を推測する「Web Answers」などを紹介。こうした自然文検索や音声認識検索はNTTグループが長年研究に取り組んできた分野でもあり、「研究のレベルは世界的に見ても高いと思う」と説明した。杉崎氏は、「大学の研究との連携なども進めており、技術をサービスという形に展開していくことがNTTレゾナントの役割」として、こうしたサービスを試験的なサービスを公開する「gooラボ」などで順次展開していきたいとした。


Web検索がカバーしきれない範囲を専門検索で埋める PC以外のデバイスでの検索、自然文や音声認識といった技術の相互連携により次世代の検索サービスを目指す

関連情報

URL
  goo
  http://www.goo.ne.jp/


( 三柳英樹 )
2007/07/26 18:46

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