情報処理推進機構(IPA)は2日、7月のウイルス・不正アクセスの届出状況を公表した。7月にIPAに寄せられたウイルスの届出件数は3,069件、ウイルスの検出数は約51万個と、いずれも前月から増加。また、夏休み期間に子供がPCを利用する機会が増えることや、企業の長期休暇中に被害が拡大する可能性があるとして、注意を呼びかけている。
IPAでは、「子供がインターネットを利用していて請求書が表示されるようになり、その画面が消えなくなってしまい困っている」といった相談を多く受けているとして、子供が有害サイトにアクセスしてしまうケースを警告。こうした被害を防ぐには、ウイルス対策ソフトやOSなどのアップデートを定期的に行なうとともに、有害サイトへのアクセスを防ぐフィルタリングソフトの利用を推奨している。
また、企業においても長期休暇中にウイルスやワームの感染、不正アクセスによるWebの改竄、メールの不正中継などの被害に遭うと、不在期間中に被害が拡大する可能性があると警告。また、休暇中に自宅にPCを持ち帰るユーザーも多くいると想定されるとして、休暇明けの出勤時にウイルスチェックを行なうなどの対策を呼びかけている。
7月のウイルスの届出状況は、ウイルス検出数が約51万個(前月比3.4%増)、届出件数が3,069件(5.9%増)。検出数の1位は「W32/Netsky」の約44万個で全体の86.2%を占めており、Netskyが検出数の大半を占める状況が継続している。
7月の不正アクセスの届出件数は10件で、そのうち実際に被害のあった件数は8件。被害届出の内訳は侵入が3件、その他が5件で、侵入被害は外部のサイトを攻撃するための踏み台となっていたものが2件、フィッシングに悪用するためのコンテンツを設置されたものが1件となっている。
IPAが7月に受け付けた相談の件数は1,162件で、過去最高を記録。このうちワンクリック不正請求に関する相談が316件と最も多く、その他の相談はセキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が16件、Winnyに関する相談が19件などとなっている。
IPAでは、一般公募した「情報セキュリティ標語2007」の大賞となった「忘れずに、ネットと心のファイアーウォール」を今月の呼びかけとして、夏休みに親子でPCの利用法やセキュリティ対策を話し合うことを呼びかけている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/08outline.html
( 三柳英樹 )
2007/08/02 18:29
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