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Second Lifeで環境問題について疑似体験、フォスターネットがSIM構築


G-Learning(画面は開発中のもの)

G-Learning(画面は開発中のもの)
 IT技術者に特化した転職支援サービスやコンサルティング事業などを手がけるフォスターネットは、3D仮想空間「Second Life」内に、環境問題について疑似体験しながら学習できるSIM「G-Learning」を9月にオープンする。「G」は「Gaia」の略で、ジェームズ・ラヴロックの「ガイア理論」を仮想空間で表現し、視覚的・感覚的に環境問題を訴えていくという。

 G-Learningは、東京大学特任教授の内山東平氏とのコラボレーションにより構築するもので、内山氏の提唱する「生態系と文明系の調和」理論を3D仮想空間で発表する場となる。一般の人にもわかりやすく伝えるために、3D仮想空間を用いるのが効果的と判断した。

 ガイア理論では、地球の表層や大気を大きな1つの生命体としてとらえ、気温や大気の組成を生き物のように自己調整しているとみなす。内山氏は、世界各地で起こる異常気象は、地球が恒常性を維持しようとして起きる生体反応(ホメオスタシス)であり、環境破壊という原因を取り除かない限り異常気象は解消されないと指摘。G-Learningでは、人間の活動がどのように環境に影響を与えているのかを、アバターが疑似体験することで学べるようにする。

 具体的には、ゴミの分別や自然エネルギーの発電などのアトラクションを用意する。島内にあるゴミの山をアバターが分別することでバイオ肥料などへリサイクルされ、その肥料を使って畑で作物を育てることができるという。正しく分別できたアバターには「グリーンカード」を配布し、これを使って島内に自分の木を植樹できるようにする。自然エネルギーの発電では、アバターが風車を回したり、島内の川の流れを使って電力を発生させる作業を体験できる。

 アバターのこれらの活動の結果は、島全体の環境にも反映される仕組みだという。G-Learningを訪れ、ゴミを正しく分別するなど環境問題についての知識を身につけるアバターが増えれば、植樹により島内に森林が育ち、島内のCO2濃度も下がるという。一方、ゴミの分別も行なわれず、自然エネルギーによる発電も行なわれなければ、島内の工場から排出されるガスなどで環境が悪化する。

 G-Learningは、フォスターネットのSecond Life事業の第1弾。同社ではすでにSIMを7島購入しており、G-Learningではそのうちの1島を使う。今後、転職支援サービスに関連するSIMも公開する予定だ。また、SIMの企画、構築、運用を請け負うサービスも展開し、G-Learningで開発した成果をもとにSecond Life内における疑似体験のシステムもあわせて提供するという。


関連情報

URL
  フォスターネット
  http://www.foster-net.co.jp/


( 永沢 茂 )
2007/08/23 17:44

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