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オーマイニュース日本語版の創刊1周年を記念して、都内で開催されたシンポジウム
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市民参加型ニュースサイト「オーマイニュース」日本語版の創刊1周年を記念するシンポジウムが28日、都内で開催された。オーマイニュースの元木昌彦編集長のほか、「JanJan」や「ツカサネット新聞」など市民メディア関係者約40人が参加し、市民メディアの可能性をテーマに議論が交わされた。
JanJanを運営する日本インターネット新聞の竹内謙代表取締役社長は、オーマイニュースが日本に参入した当時、マスコミは市民メディアに駆逐されることを心配していたと指摘。創刊1年を迎えて「それほどではなかった」と胸をなで下ろしているマスコミ関係者も多いとしたが、市民メディアが影響力を持つには時間がかかると述べ、オーマイニュースとともに市民参加型メディアを盛り上げたいと訴えた。
「既存メディアには限界がある」と語るのはツカサネット新聞の清水多佳子編集部員。清水氏によれば、既存メディアでは注目されている事件や事故を大きく報道するが、これらの記事は「生活の部分が欠落している」という。市民メディアでは、市民記者が既存メディアと異なる目線で記事を書くことで既存メディアを補うとともに、マスコミの報道を監視する役割があると話した。
また、オーマイニュースからもコンテンツ提供を受けている「Yahoo!ニュース」を手がけるヤフーの川邊健太郎メディア事業部プロデューサーは、市民メディアについて次のような見解を示す。「ユーザーは市民記者やブログの記事をニュースとして読むようになり、ニュースの消費形態が変化した。ヤフーでは、現在の顧客のニーズに歩み寄るためにも市民記者の記事をYahoo!ニュースで紹介することとなった」。今後は、ヤフーが掲げる「ソーシャルメディア化」を実現するために、Yahoo!ニュースでブログの記事も取り扱っていきたいと語った。
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JanJanを運営する日本インターネット新聞の竹内謙代表取締役社長
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オーマイニュースの元木昌彦編集長
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● 市民メディアとしての理想はあるがビジネス的には厳しい
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会場には、ソフトバンクの孫正義代表取締役社長から贈られた花も
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続いてディスカッションは、市民参加型ニュースサイトの収益に関する話題に及び、「市民メディアとしての理想はあるが、ビジネスとしてやっていくのは大変」と語る元木氏が、出席者に助言を求めた。
「これは難しい」と苦笑いする竹内氏は、「答えにならなくて申し訳ないが、武士の商法だと思っている」と回答。経営的に難しいことは重々承知しているが、最低限のところでやりくりしながら、自分たちの心意気を実現するために腐心するしかないと語った。
「我々にとってのホワイトナイト」(元木氏)というヤフーの川邊氏は、グーグルやオーバーチュアなどが手がけるリスティング広告を挙げ、「昔に比べると、1ページビューを換金する効率は高くなってきている」と指摘。これらの広告を活用することで、財務的に健全化できるのではないかとアドバイスした。
このほか、市民記者が書いた記事に対する読者からのコメント欄を開放するかどうかについて意見が求められた。これに対して、コメント欄への書き込みを会員限定にしているJanJanの竹内氏は、厳しい批評にさらされて傷つく市民記者もいるかもしれないが、社会が成熟することによってコメント欄の誹謗・中傷も解消できると楽観視していると述べた。
ツカサネット新聞では、8月24日にコメント欄への書き込みを会員のみに制限したが、この理由について清水氏は、「コメント欄で傷つけられて市民記者を辞める人がいたため」と説明。社内ではコメント欄における盛り上がりがなくなるという意見も出たが、市民記者を保護するために、不特定多数がコメント欄に書き込める状況を廃止したという。
質疑応答では、「なぜ市民記者がブレイクしないのか」という質問が寄せられた。これに対して川邊氏は、ブログが台頭したことによって、市民メディアのポジションが中途半端になったと指摘。ただし、ニュース記事を提供するポータルサイトの立場からすれば、情報に裏付けがない記事が掲載されることのあるブログよりは、安心して記事を紹介できると述べた。また竹内氏は、「ブログやSNSは市民メディアの親戚」と語り、市民記者の裾野は広がっていると答えた。
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ツカサネット新聞の清水多佳子編集部員
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ヤフーの川邊健太郎メディア事業部プロデューサー
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関連情報
■URL
オーマイニュース
http://www.ohmynews.co.jp/
JanJan
http://www.janjan.jp/
ツカサネット新聞
http://www.222.co.jp/netnews/
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( 増田 覚 )
2007/08/28 19:13
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