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シマンテック、スキャンやUI反応など“軽く”なった最新版「ノートン」


ノートン・アンチウイルス2008(左)とノートン・インターネットセキュリティ2008
 シマンテックは7日、個人向けのセキュリティ対策ソフト「ノートン・アンチウイルス2008」と「ノートン・インターネットセキュリティ2008」のダウンロード販売を開始した。パッケージ版は9月21日に発売する。対応OSはWindows Vista/XP。

 ノートン・アンチウイルス2008の価格はパッケージ版が6,195円、ダウンロード版が4,935円。ノートン・インターネットセキュリティ2008の価格はパッケージ版が8,190円、ダウンロード版が6,300円。ライセンス期間は1年間、ライセンス更新料については未定。

 また、ダウンロード版限定で、通常のライセンス期間に2年間の更新サービスを付けた製品を発売。ノートン・アンチウイルス2008は9,240円、ノートン・インターネットセキュリティ2008は11,340円。

 いずれも3台のPCまでインストールすることが可能だ。

 このほか、5ユーザー版および10ユーザー版の製品も用意する。


「Web閲覧でウイルス感染」防ぐブラウザ脆弱性対策

 ノートン・アンチウイルス2008では、Webサイトを閲覧した際に、ユーザーに気付かせずにスパイウェアやトロイの木馬をインストールさせる「ドライブバイダウンロード攻撃」など、Internet Explorer(IE)の脆弱性を悪用する新種の脅威が出回っている傾向を踏まえ、これらの攻撃からWebブラウザを保護する機能を搭載。具体的には、既知のIEの脆弱性すべてに対応するとともに、攻撃のパターンを分析することで未知のマルウェアからも保護する。

 ドライブダウンロード攻撃以外の新たな脅威としては、感染するとPCがインターネットを通じて攻撃者により遠隔操作されてしまうウイルス「ボット」が挙げられる。ボットには亜種が多いことから、ウイルス対策ソフトの定義ファイルでは対応できないこともあるが、同製品ではビヘイビア分析(ふるまいの分析)を用いることにより、定義ファイルが作成される前の段階でも悪意のあるコードからユーザーを保護できるという「SONAR」技術を搭載した。SONAR技術では、アプリケーションが外部への通信を試みるたびにスキャンを実行するため、未知の脅威に対するファイアウォールの効果が向上するという。

 このほか、LAN上で同製品がインストールされたすべての接続機器のセキュリティ状態を監視する「ホームネットワークセキュリティ監視機能」や、これまで「ノートン 360」のみで利用できた、チャットやメールによるサポート機能などが新たに追加された。また、ノートン・インターネットセキュリティ2008では、無線LANで構築されたホームネットワークのセキュリティ状態をチェックし、安全でない無線ネットワークへの接続時に警告を発し、ネットワークセキュリティ設定の管理についてアドバイスを行なう機能を備える。

 ノートン・アンチウイルス2008の機能に加えて、個人情報保護機能などを備えるノートン・インターネットセキュリティ2008では、インターネットショッピングなどで入力する個人情報を保護する「ノートン ID セーフ」を新搭載。パスワードなどの個人情報を暗号化して保存するほか、パスワードやWebフォームの自動入力を行なえる。また、フィッシング対策機能との連携により、個人情報の入力先サイトが怪しい場合は警告を表示する。


新たな脅威「ドライブバイダウンロード」について 個人情報保護機能「ノートン ID セーフ」について

セキュリティ対策ソフトは軽くなければ使ってもらえない

米Symantec シニアプロダクトマネージャ ジョゼフィン・ギブニー氏
 また、両製品では起動、メモリの使用、ユーザーインターフェイス(UI)の反応、スキャン、ダウンロードなど主要な機能を改善し、軽快な動作が可能になったとしている。米Symantecでシニアプロダクトマネージャを務めるジョゼフィン・ギブニー氏によれば、ノートン・インターネットセキュリティ2008では、同2007版に比べ、UIの反応速度が22%、クイックスキャンの速度が39%向上したという。

 さらに、同社が実施した競合製品9種平均との比較でも、ノートン・インターネットセキュリティ2008のパフォーマンスが上回ったという。この発表によれば、業界平均値ではブート時間が16秒、メモリ使用量が43MB、UI反応速度は3秒となっているが、同社製品ではブート時間が10秒未満で20%高速、メモリ使用量は10MBで69%減少、UI反応速度は2秒未満で54%高速となっているなど、競合製品の平均を上回ることをアピールした。

 「日本国内の調査では、ユーザーの66%がPCの動作の遅さにストレスを感じていることがわかった。こうしたことから、セキュリティ対策ソフトは軽くなければ使ってもらえないと感じている。弊社では、2007年版製品でもパフォーマンス向上に注力してきたが、2008年版ではさらに厳しい基準を設け、アーキテクチャを中核から変えるなどしてパフォーマンスを改善した」(ギブニー氏)。

 ギブニー氏はこのほか、インターネット上の脅威に関する最新動向として、スマートフォン端末を狙った脅威が登場していると指摘。シマンテックでは現在、Windows MobileおよびSymbianに対応したスマートフォン向けセキュリティ対策を手がけている。米国ではパブリックベータ版が公開中で、今秋にも発売予定だという。なお、米国以外の発表時期は検討中としている。


競合他社製品とシマンテック製品のパフォーマンスの違い 「スピード重視のノートン製品」

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20070907_01
  ノートン・アンチウイルス2008
  http://www.symantec.com/ja/jp/home_homeoffice/products/overview.jsp?pcid=is&pvid=nav2008
  ノートン・インターネットセキュリティ2008
  http://www.symantec.com/ja/jp/home_homeoffice/products/overview.jsp?pcid=is&pvid=nis2008

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( 増田 覚 )
2007/09/07 16:10

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