キーワードではなく、自然言語によって検索できるサーチエンジンの公開を目指す米Powersetは17日、同社としては初めて一部技術を一般公開すると発表した。
公開される技術は同社の「Powerset Labs」ページで公開されるが、ここにアクセスする権利を得る希望者があまりにも多いため、現在ではメールアドレスを入力し、招待されるまで順番待ちをしなければならない状態だ。
Powersetは、Googleの本物のライバルになるのではないかと噂になっている一般消費者向けサーチエンジンを開発しているベンチャー企業だ。同社はパロアルト研究所と、同社が雇用した著名な言語学者やコンピュータ科学者が開発した技術をもとに、自然な文章で質問文を入力すると文章を理解して検索結果を返す全く新しいサーチエンジンを目指している。これは文章中のキーワードを組み合わせるのではなく、文章を言語学的に解析し、その意味を理解して検索結果を返すという意味で、これまでのサーチエンジンではなかったとされているものだ。
今回同社がPowerset Labsで公開したのは「Use Cases」と「Powermouse」の2つのサービスで、いずれも2008年に一般公開が計画されているPowersetの自然言語理解能力を向上させるために利用される。
Use Casesでは、ユーザーが入力した自然言語による質問文に対してPowersetがキーワードを返してくる。そのキーワードが目的と一致しているかどうかをユーザーが評価することによって、Powersetの能力を向上させることができる。また、Powermouseでは穴あきとなっている自然な文章に質問したいキーワードを入力し、その結果、Powersetがキーワードによる検索結果ではなく、質問の意味を理解して「答え」を返してくれることになっている。
Powersetでは1つの例として、「プロレスラーの『Hulk Hogan』が負かしたのは誰?」という質問を入力した場合に、実際にWikipediaから引用して負かしたレスラーたちを表示できることを示している。
Powersetはこれまで秘密主義的な態度を崩さなかったため、一部報道を除いては情報を入手することができなかった。一部とはいえ技術が一般公開されるに至って、Powersetの公開が近づいてきたことが実感される。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.powerset.com/press/tc40
Powerset公式ブログの該当記事(英文)
http://blog.powerset.com/2007/9/17/powerset-launches-powerset-labs-at-techcrunch40
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/09/18 12:19
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