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「鏡衆」のイメージ(電通のニュースリリースより)
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電通消費者研究センターは7日、互いに共振する消費者「鏡衆(きょうしゅう)」が台頭し、世の中を動かし始めているとのレポートを発表した。
このレポートは、7月と9月に行なった「電通・新大衆調査」の結果に基づいたもの。同調査は、7月に関東1都6県の12~64歳の男女4,300人を対象に郵送留置法で、9月に首都圏1都3県の16~59歳の男女1,800人を対象にインターネットでそれぞれ実施した。
レポートによると、現在の消費者が3~5年前と比べて強くなった気持ちとして、「心の価値観を共有できる仲間がほしい」(35.3%)、「人とつながって心情や気持ちを交換・交流させたい」(31.9%)が上位になったという。「皆で共有できる目標や価値観がなくなってきた中で、情でつながろうとする姿が読みとれる」とし、「自分探し」の時代から「共通性探し」に関心がシフトしてきたと指摘する。
共通性探しの時代には、「人からの影響をうまく取り入れて、うまくレスポンス&発信していく『共振力』ともいうべきものが重要になってきている」。こうした共振力を持つ消費者(共振型消費者)は、全体の43%を占めるようになったという。一方、「人からの影響は受けないが、うまくレスポンス&発信することはしている」タイプは「私こだわり型消費者」と言えるが、比率は36%だった。
共振型消費者はヒットやブームの牽引層だとしており、「脳トレ」「新感覚リモコンTVゲーム」「携帯型デジタルAVプレーヤー」「岩盤浴・ゲルマニウム温浴」「健康成分入り菓子」「ビリーズブートキャンプ」「健康機器・健康器具ブーム」などはこの層が牽引しているという。
例えば、最近1~2年以内に購入または利用したものについての設問で、脳トレが全体では9.6%だったのに対して、共振型消費者では37.3%に上った。また、心ひかれたブームについての設問で、ビリーズブートキャンプは全体では15.1%だったのに対して、共振型消費者では22.0%に上った。
電通消費者研究センターでは、共振型消費者は「心の鏡を使って他者の気持ちや欲求を映し出し、複数の人に反射拡大させる鏡の共振メカニズムを持つ人々」だとし、この層を「鏡衆」と命名した。自分なりの選択眼を持って判断する私こだわり型消費者よりも、人の影響を受けながら共振する消費者の方がボリュームが多く、世の中の新しい流れを作り出すようになったとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2007/pdf/2007078-1207.pdf
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