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個人情報の入力が増える一方、防御策には「自信なし」~シマンテック調査


 シマンテックは20日、オンライン詐欺に関するユーザー実態調査の結果を発表した。調査では、ネットショッピングなどの普及により個人情報の入力機会が増えている一方、疑わしいサイトにアクセスする機会も増えており、潜在的不安を抱えるユーザーや、防御に自信がないと回答するユーザーが増加したとしている。

 調査は、シマンテックがヤフーバリューインサイトに委託。インターネット利用歴3年以上で15歳以上の男女1,000人を対象として、インターネットによる調査を実施した。調査は10月に行なわれ、今回で4回目となる。


個人情報の入力機会が増える一方、詐欺目的サイトへのアクセス経験も増加

 調査によると、回答者の94.6%がネットショッピングやオンライン予約サービスなどの利用経験があり、決済手段としては71.3%が「画面上でクレジットカード決済」、54.5%が「オンラインバンキングでの振り込み」を利用したことがあるとしている。

 インターネット上で個人情報の入力を要求された機会についての設問では、この1年間に「かなり増えている」という回答が19.9%、「やや増えている」が48.3%で、合計68.2%が個人情報の入力機会が増えていると回答している。また、個人情報の入力機会が増えるのに伴い、「入力に慣れてしまった」と感じている回答者も48.3%に達している。

 一方で、明らかに詐欺を目的としたサイトまたは詐欺目的ではないかと疑われるサイトにアクセスしたことがあるかという設問では、38.8%が経験があると回答。男女別では男性の若い年代層がこうしたサイトへのアクセス率が高く、PCスキル別では上級者層がアクセス率が高い。

 こうした詐欺目的サイトへのアクセス経路としては、「別のサイト上のリンクからアクセスした」が67.5%、「メール本文中のURLをクリックしてアクセスした」が41.2%。アクセスした詐欺目的サイトの具体的な内容については、「ワンクリック詐欺系」とみられるサイトが最も多く挙げられている。

 これまでにインターネット上で詐欺の被害に遭った経験については、実際に「被害経験がある」という回答は4.0%だが、「ひょっとしたら何か被害に遭っているかもしれない」という回答が24.9%あり、2006年の調査(17.9%)と比べて増加している。


オンライン決済は増加傾向 個人情報の入力に「慣れてしまった」という回答も半数近く

アクセス経験のある詐欺目的サイトは「ワンクリック詐欺系」が最多 「被害に遭っているかも知れない」と考える人の割合が増加

「対策を理解していると思う」「被害には遭わないと思う」の割合は減少

 インターネット上の詐欺行為が広がる傾向を受けて、インターネットの利用の仕方が変わったかという設問では、「確かに変わった」が8.6%、「多少は変わった」が45.5%、「どうすればよいかがわからないので変わっていない」が29.0%、「特に気にしていないので変わっていない」が16.9%。回答者層では特に女性と初心者層が「どうすればよいかがわからない」という回答の割合が高い。

 インターネットの利用の仕方が具体的にはどのように変化したかについては、「安全だと確信できる(SSLの使用など)サイトでしか買い物をしなくなった」が30.9%と最も高く、以下は「パスワードを定期的に変更するようにした」(26.8%)、「対策ソフトなどを導入・追加した」(25.3%)などが挙げられている。

 一方、インターネット上の詐欺行為に対して被害に遭わない方法を正しく理解していると思うかという設問では、「理解していると思う」という回答は33.9%で、2006年の調査(40.8%)から割合が減少。正しく防御できていると思うかについても、「絶対に被害に遭わない自信がある」は1.1%、「たぶん大丈夫だと思う」は40.8%で、いずれも2006年の調査から割合が減少している。


心がけている項目は「安全だと確認できるサイトでしか買い物をしなくなった」が最多 詐欺対策への自信は2006年から減少

セキュリティソフトによる多層的防御と意識強化を、シマンテック風間氏

シマンテックの風間彩氏
 シマンテックのシニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャを務める風間彩氏は、2007年には正規のサイトに不正プログラムを埋め込まれる事例が多発しており、被害を防止するためには不正プログラムからWebブラウザを保護するための仕組みが必要だと訴えた。

 また、オンライン詐欺の被害を防ぐためには、「総合セキュリティソフトによる多層的な保護に加えて、ユーザーの意識強化が必要だ」と説明。オンライン詐欺から身を守る心得として、詐欺の実態や被害に日頃から関心を持つことや、差出人不明のメールに返答しない、ブログやSNSなどに個人を特定できる情報を不用意に書かないといった項目を挙げた。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20071220_01


( 三柳英樹 )
2007/12/20 19:35

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