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2007年有害サイト動向、暴力描写の過激化や隠語・略語の増加など


 デジタルアーツは25日、2007年における有害サイトの動向トップ3を発表した。それによれば、暴力・猟奇描写の過激化、ワンクリックサイトの構造が複雑化、コミュニティサイトにおける隠語・略語利用のさらなる増加といった傾向が見られたという。

 ランキングは、同社が提供するフィルタリングソフトにおいて、有害サイト情報を収集している専門家5人が作成したもの。各人に印象に残ったWebサイトの傾向を3つ挙げてもらった上で集計した。

 ランキング1位に挙げられたのは、「暴力・猟奇描写の過激化」。デジタルアーツでは、猟奇描写といえば、かつては単なる死体の写真を掲載しているものが主流だったが、最近では「小動物を虐待し、息絶えるまでの過程を動画に収める」「原形をとどめないほど破壊された死体の画像」など、よりリアルに猟奇的なシーンを描写するサイトが増えてきたとしている。

 次いで2位にランクインしたのは「ワンクリック詐欺サイト、構造が複雑に」というトピック。ワンクリック詐欺サイトは、一度接続したサイトでクリックしただけで、料金請求画面が表示されるもので、トップ画面には主にアダルトサイトが用いられていた。しかし2007年は、「2クリック」「3クリック」化し、トップ画面も「スポーツ試合の判定における真実を写した映像」「セレブの衝撃写真・ゴシップ」など、タイムリーかつ興味をそそられる内容となっているという。

 ワンクリック詐欺サイトへの誘導方法としてはまず、芸能人の交際報道などが流れるとすぐに、ブログ形式でサイトが作成される。この画面上には、YouTubeやDailymotionなどの動画共有サイトのプレーヤーを模倣したような画像が表示されているという。ユーザーが、動画を再生する要領でこの画像をクリックすると、フォルダからフォルダにファイルが移動するようなGIFアニメーションが表示され、まるで自分の個人情報が接続先のWebサイトにコピーされているような印象を抱かせる。最終的に年齢確認画面をクリックすると、請求画面が表示されるという流れだ。

 デジタルアーツではワンクリック詐欺サイトが増えている背景として、詐欺サイト画面の素材が容易に入手できる点を挙げている。また、URL転送サービスを利用することで、怪しいURLを合法なWebサイトに見せかけて表示できるため、掲示板などにばらまかれた詐欺サイトへのリンク先へ多くのユーザーが誘導されていると分析している。

 3位には「一般コミュニティにおける隠語・略語利用のさらなる増加」がランクインした。デジタルアーツでは、学校の公式サイトとは別に開設される「学校裏サイト」が、塾や部活などといった日常のコミュニティにまで広がっていると指摘。これらのコミュニティサイトでは、「DQN」や「KY」など2ちゃんねるや携帯電話メールで使われたアルファベット略語が広く使われるようになったとしている。

 また、犯罪行為などに関する「闇サイト」のうち、特に膨大な量の書き込みのある掲示板には、事件につながるような書き込みが多数見られたという。さらに、サーバー管理者にWebサイトを削除されないように、これらの掲示板上での隠語が複雑化する傾向が見られたとしている。


 このほかトップ3以外では、「低年齢化・悪質化した児童ポルノサイト」「若年層をターゲットとした懸賞サイト」などの増加も懸念事項として挙げている。


関連情報

URL
  デジタルアーツ
  http://www.daj.jp/


( 増田 覚 )
2007/12/25 17:08

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