NTT東日本とNTT西日本は9日、加入者光ファイバを通信事業者に貸し出す際の接続料金について、接続約款変更の認可申請を総務大臣に行なったと発表した。現行で1芯あたり月額5,074円のところ、東が4,713円、西が5,048円にそれぞれ値下げする。認可後、2008年度(4月1日)から適用する予定。
現行の接続料金は、1芯あたりの原価が2001年度に月額19,421円、2002年度に13,841円、2003年度に9,827円というように下がっていき、以降、2007年度には2,647円にまで下がるとの予測に基づいて「将来原価方式」により算出したもの。5,074円というのは、この7年間の平均にあたる。すなわち、当初は原価が接続料を大きく上回るが、予測通りに推移すれば、2007年度までにプラスマイナスゼロとなるはずだった。
しかしながら原価の実績と見ると、2001年度は19,585円とそれほど乖離はないものの、2006年度は8,915円、2007年度も7,659円(見込み)と高止まりとなっており、依然として原価が接続料を上回る状況が続いている。
今回認可申請した接続料金は、2008年度から2010年度までの3年間について、1芯あたりの原価を予測し直した上で、東西別に算定した。東では、2008年度の原価を5,543円、2009年度が4,610円、2010年度が4,226円と予測し、3年間の平均をとって新接続料金を4,713円と設定した。西では、2008年度が6,421円、2009年度が5,147円、2010年度が4,073円と予測した上で、同様に新接続料金を5,048円とした。この予測にあたっては、2010年度末までに東でBフレッツが1,140万契約、西でフレッツ光が900万契約となることなどを前提としている。
なお、2社では今回、これらの原価予測と実績が乖離した場合に、翌期(2011年度)以降に調整する方針も示した。仮に、新接続料金による今後3年間の収入実績が原価実績を下回った場合、その不足分が翌期以降に上乗せされるかたちになる。逆に上回った場合は、翌期以降差し引かれることになる。
NTT東日本によると、「実績原価方式」で算定している他のサービスの接続料においてはこのような事後精算を行なっているものもあるが、将来原価方式を採用している加入者光ファイバの接続料金で事後精算をとり入れるのは今回から。あくまでも原価実績の予測に基づいて新接続料金を設定したものの、経済情勢や技術動向などの不確定要素による乖離が発生した場合は事後精算が行なわれることになるという。
2社では同日、他のサービスの接続料金についても認可申請を行なっている。
関連情報
■URL
加入者光ファイバ接続料金の認可申請について(NTT東日本)
http://www.ntt-east.co.jp/release/0801/080109b.html
加入者光ファイバ接続料金の認可申請について(NTT西日本)
http://www.ntt-west.co.jp/news/0801/080109b.html
接続料金改定の認可申請について(NTT東日本)
http://www.ntt-east.co.jp/release/0801/080109a.html
接続料金改定の認可申請について(NTT西日本)
http://www.ntt-west.co.jp/news/0801/080109a.html
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( 永沢 茂 )
2008/01/09 19:23
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