World Wide Web Consortium(W3C)は22日、Web記述言語の主要な改訂となる「HTML 5」の初期草案を公開した。現在、W3CのHTML作業部会で作業を進めており、2010年9月まで標準化作業を終える予定としている。
W3CによるHTMLの標準化は、1997年に「HTML 4」を勧告、1999年には修正版の「HTML 4.01」を勧告し、これが現在でも最新の仕様となっている。W3CではHTML 4の標準化作業の後、HTMLをXMLにより再定義した「XHTML」を次世代の標準と定めて標準化作業を行なってきたが、HTMLについても改訂を求める声が挙がり、2007年3月にHTML作業部会を設置。今回、HTML 4の改訂仕様となる「HTML 5」の初期草案を公開した。
HTML 5では、2次元画像の描画や、音声および動画コンテンツの埋め込みと制御、クライアント側での永続的なデータ管理や、利用者側での対話的な文書編集のためのAPI群などの新機能が盛り込まれている。また、<section>や<footer>といった要素や、ページナビゲーション用の<nav>、写真などに説明文を添えるための<figure>など、一般的なページ構成要素も容易に記述できるようになるとしている。
コンテンツ制作者は、旧来のHTML構文とXML構文のどちらを用いてもHTML 5の記述が可能。また、HTML 5の仕様では、適正なHTML文書の取り扱い方法だけでなく、エラーからの回復方法にも明確な規定を設けることで、相互運用性の向上とソフトウェア開発費用の削減に貢献するとしている。
HTML 5の仕様策定を進めているHTML作業部会は、MicrosoftやMozilla、Apple、Opera SoftwareといったWebブラウザベンダーからの代表者を含む、500人以上の参加者により構成。W3Cでは、HTML 5はW3Cのロイヤリティフリー特許方針に基づいて策定される初のHTML仕様だとしており、初期草案に対して一般からの意見を募集している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.w3.org/2008/02/html5-pressrelease
HTML 5の初期草案(英文)
http://www.w3.org/TR/2008/WD-html5-20080122/
HTML 4からの変更点一覧(英文)
http://www.w3.org/TR/2008/WD-html5-diff-20080122/
HTML作業部会(英文)
http://www.w3.org/html/wg/
■関連記事
・ W3C、HTML 4の後継となる次期HTMLの標準策定に着手(2007/03/08)
( 三柳英樹 )
2008/01/24 18:42
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