Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

EU、マイクロコンピュータ開発に25億ユーロ拠出


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は22日、「ARTEMIS」というジョイント技術イニシアティブ(JTI)を立ち上げ、今後10年で25億ユーロを拠出することを明らかにした。このJTIは欧州議会が2007年末に承認したもので、自動車、飛行機、電話、工場などのあらゆる装置・機械類において、ユーザーの目に見えない形で機能しているマイクロコンピュータの開発を支援する。22日に初めての代表者会議が開かれたという。

 この日挨拶した欧州委員会委員のViviane Reding氏は、“見えない”コンピュータの開発は欧州経済に多大な好影響を与えると述べ、今回のプロジェクトの意義を説明した。現在では98%の機械類が何らかのコンピュータを内蔵しており、40億個を超えるプロセッサが2007年に販売。世界市場は現在600億ユーロ規模であり、平均年成長率14%を示しているという。2010年にはコンピュータ内蔵型機械類の販売が160億個、2020年には400億個に増加することが予測されており、自動車などでも2010年には価格の35%はコンピュータ類が寄与するようになると予測されているという。

 そんな中、EU側も企業支援に乗り出しており、ARTEMISという今回のJTIにおいても、各国政府とEU当局との協力のほか、産業界の協力も仰ぐ形になっている。加盟国のうちベルギー、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシア、スペイン、フランス、イタリア、ハンガリー、オランダ、オーストリア、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、フィンランド、スウェーデン、英国が参画。企業側からは22%の中小企業の代表、28%の大企業が参画するという。著名な企業としては、ABB、エアバス、ダイムラー、エリクソン、エアロスペースインダストリー、インフィニオン、ノキア、フィリップス、シーメンス、STマイクロエレクトロニクスなどが挙がっている。

 ARTEMISは、数カ月後にブリュッセルにて実際の事業を始める予定だという。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/283&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

関連記事
EU、ネット放送のためのP2P技術開発に1,500万ユーロ拠出(2008/02/21)


( Gana Hiyoshi )
2008/02/25 14:58

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.