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イー・モバイル、基本料無料の音声通話サービスを3月28日開始


 イー・モバイルは25日、音声通話サービスを3月28日に開始すると発表した。月額基本料金は無料で、通話料金は宛先によらず30秒18.9円。当初の端末はHTC製「S11HT(EMONSTER)」と東芝製「H11T」の2機種で、3月1日に販売予約を開始する。


音声通話は月額基本料無料、イー・モバイル間は通話無料のオプションも

記者会見にはイー・モバイルの千本会長とガン社長に加え、端末メーカーのHTCと東芝の関係者も出席した
 イー・モバイルは、2007年3月にHSDPAによるデータ通信サービスを開始。全国の都市部を中心にサービスエリアを展開してきたが、3月28日から音声通話サービスも開始する。3月1日から音声通話端末の予約受付を開始し、3月28日から端末の販売と音声通話サービスを開始するとともに、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)による移行の受付も開始する。

 通話料金プラン「ケータイプラン」は、月額基本料を無料とした点が特徴で、通話料が宛先によらず30秒18.9円の完全従量制となる。データ通信料は月額1,000円~4,980円で、SMS送信料は1通2.1円。

 また、データ通信端末と音声端末の両方を契約するユーザー向けの「ケータイプランデータセット」も用意。このプランも通話の月額基本料は無料、データ通信料が0円~3,980円となり、携帯電話側の月額料金が0円から利用できる。

 通話料については、月額980円の有料オプションサービス「定額パック24」も用意。このプランを利用することで、イー・モバイル携帯電話同士の通話は無料、携帯電話・PHS宛は30秒9.45円、固定電話・IP電話宛は30秒5.25円となる。

 音声通話端末向けのサービスとしては、携帯電話向けコンテンツの閲覧やメールサービスが利用可能となる「EMnet」(月額315円)を用意する。認証・課金の機能を備え、着うたやゲームアプリ、GPSナビなど、携帯電話向けコンテンツサービスを提供。ブラウザのトップページには「Googleモバイル」を採用する。また、メールサービスについては、「@emnet.ne.jp」ドメインによるプッシュ型配送のメールサービスを提供する。

 音声サービスの開始に併せて、データ通信サービスについても新たな料金プラン「スーパーライトデータプラン」を3月28日から開始する。通信量に応じた従量課金で上限がある料金プランで、「ベーシック(年とく割)」「新にねん」プランの場合には月額1,000円~4,980円、「ベーシック」「にねん」プランの場合には月額2,000円~5,980円となる。


イー・モバイルの「ケータイプラン」。音声の月額基本料は無料、通話料は30秒18.9円の従量課金制 データ通信端末と音声端末の両方を契約するユーザー向けの「ケータイプランデータセット」も用意

月額980円の「定額パック24」の利用で、イー・モバイル間の通話は無料、携帯電話や固定電話との通話も割引に 他社との通話料の比較

端末はHTC製「S11HT」、東芝製「H11T」の2機種

 音声サービス開始時に発売する端末は、PDA型のHTC製「S11HT(EMONSTER)」と、一般的な携帯電話型の東芝製「H11T」の2機種。いずれも音声通話のほか、PCに接続してのデータ通信(下り最大3.6Mbps)にも対応する。

 HTC製「S11HT(EMONSTER)」は、Windows Mobile 6 Professional Edition 日本語版をOSとして搭載する、PDA型の端末。2.8インチQVGA(320×240ドット)液晶とスライド式キーボード、約300万画素のカメラを備え、ワイヤレス接続機能としては、IEEE 802.11b/g対応の無線LAN機能と、Bluetooth 2.0を搭載する。

 東芝製「H11T」は、折りたたみ型で2.8インチワイドQVGA液晶(400×240ドット)を備える、一般的な携帯電話型の端末。320万画素オートフォーカスカメラ、ワンセグ、フルブラウザ、電子辞書などの機能を備え、4色のカラーバリエーションを用意する。


HTC製「S11HT(EMONSTER)」。Windows Mobile 6搭載のPDA型端末 東芝製「H11T」。320万画素カメラやワンセグなどを搭載する折りたたみ型端末

イー・モバイルのエリアの他、NTTドコモのローミングに対応

イー・モバイルのエリア外ではNTTドコモのローミングに対応
 音声サービスの対応エリアは、イー・モバイルのエリアの他、NTTドコモのHSDPA網のローミングに対応する(H11Tのみ利用可能)。ローミングサービスを利用する場合のオプション料金は月額105円で、通話料は30秒22.05円、パケット通信は1パケット0.0735円、SMSは1通5.25円(配信通知なし)または7.35円(配信通知あり)となる。

 ローミング対応エリアは、北海道(札幌近郊を除く道内)、青森県、秋田県、岩手県、山形県、福島県、長野県、富山県、石川県、福井県、鳥取県、島根県、岡山県、山口県、香川県、愛媛県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県の25道県。その他の都府県ではローミングは利用できず、ローミングエリアにおいてもイー・モバイルのサービスが提供されている場合にはそちらが優先される。ローミングは最長で2010年10月末までの提供予定で、イー・モバイルのサービスエリア拡大により期限前でもローミング対応が終了する場合もある。


「携帯電話が飽和状態というのは誤り、普及の余地はまだまだある」千本会長

イー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏

イー・モバイル代表取締役社長のエリック・ガン氏
 イー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は、「既存の事業者は『基本料ありき』のサービス。高い基本料を払えば、通話料が安くなるという料金体系。当社はモバイルデータ通信サービスをベースに、音声サービスを加えるという考え方により、月額基本料無料という画期的な料金体系を実現した」と説明。「使った分だけお支払いいただく、シンプルかつ透明、安心、納得できるサービスだ」と強調した。

 また、「国内の携帯電話は既に飽和状態にあるというのは誤り」だとして、携帯電話普及率1位のルクセンブルクでは普及率が151.9%に達するなど、世界には普及率が100%を超えている国がたくさんあると説明。「日本の携帯電話普及率はまだ79.6%の50位でしかなく、普及の余地はまだまだあると考えている」とした。

 イー・モバイル代表取締役社長のエリック・ガン氏は、最初の音声端末となる「S11HT(EMONSTER)」「H11T」を紹介。HTC製のS11HTは、HTCが海外で販売する「HTC TyTN II」を日本向けにローカライズしたもので、「EMONSTER」という名称は「EMOBILE Net Smart Terminal」の略だと説明。また、H11Tの4色のカラーバリエーションは、血液型のイメージであることを明らかにした。

 音声サービスのエリアについては、現時点でイー・モバイルだけで人口カバー率が70~75%に達しており、NTTドコモのローミングと合わせて2008年6月までに人口カバー率95%を達成したいとした。東名阪、福岡、札幌では既に90%以上のカバー率となっているが、地下鉄のホームでの提供についてはあと1年ほどかかると説明。また、国際ローミングについても、2008年頃をめどに開始したいとした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.emobile.jp/cgi-bin/press.cgi?id=516
  イー・モバイル 電話サービス
  http://emobile.jp/service/onsei.html

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( 三柳英樹 )
2008/02/25 20:32

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