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米Appleは6日、6月に発表予定のiPhone 2.0ソフトウェアの概要を公表し、開発者向けベータ版を公開した。| 
 |  | iPhone Developer Program |  
 iPhone 2.0ベータ版には、iPhone SDK(ソフトウェア開発キット)や企業向けの機能が含まれている。これにより、単なる高機能な携帯から、開発者がiPhone向けソフトウェアを販売するような一大プラットフォームを目指す方針が明らかになった。既にElectronic Artsやセガのようなゲーム会社をはじめ、Salesforce.com、Cisco、Microsoft、AOLなどの企業が参画している。
 
 iPhone SDKには、iPhoneとiPod Touch向けのネイティブアプリケーションを開発するためのAPIセットや、Mac上でiPhoneをシミュレートするためのiPhoneシミュレーターも含まれている。このAPIを使用すると、iPhoneのマルチタッチユーザーインターフェイス、アニメーション、ストレージ、3軸加速度計、ロケーション技術などを使用したネイティブアプリケーションを開発できる。
 
 さらにiPhone 2.0ソフトウェアには、iPhone専用ソフトをダウンロードするための「App Store」が内蔵されている。ユーザーはここからたくさんのソフトウェアをブラウズして購入し、無線でダウンロード、インストールすることができる。一方、サードパーティの開発者は、ここでソフトウェアを販売または無料配布することが可能だ。販売する場合、開発者は売上の70%を手にすることになる。
 
 ● 企業内での利用のためのセキュリティや管理機能も企業がiPhoneを安全に利用するための環境も用意された。まず、AppleはMicrosoftからExchange ActiveSyncソフトウェアをライセンスし、iPhone向けに提供する。これによってiPhoneからMicrosoft Exchange Server 2003/2007にアクセスし、メールや連絡先、カレンダーなどのデータにアクセスできるようになる。 
 また、iPhone 2.0はCisco IPsec VPN、WPA2エンタープライズ、IEEE 802.1X認証などをサポートし、企業がiPhoneやiPod Touchを無線LANネットワークなどを通して安全に使えるよう配慮されている。
 
 企業のIT管理者が一括して大量のiPhoneを設定できるユーティリティも用意した。設定できる内容としては、パスワードポリシー、VPN設定、認証書インストール、メールサーバー設定などがある。これらの設定をiPhoneにインストールするには、iPhoneユーザーがIDとパスワードを入力して一度タップするだけで、環境設定をすべて完了できる。さらにApp Storeには、企業が従業員だけに公開する独自のページを用意することもできるようになっている。
 
 iPhone SDKベータ版は、全世界で無料ダウンロードできる。ただし、実際にiPhoneを使ってテストを行なうことができるiPhone Developer Programへの加入は、当初は米国内限定となっている。さらに、企業開発者向けのiPhone Enterprise Betaプログラムへの加入申し込みの受付も開始する。
 
 Appleは、iPhone 2.0ソフトウェアの正式版を6月に公開する予定だ。なお、iPhone向けに開発されたサードパーティアプリケーションはiPod Touchでも動作するようになるが、その際、有料のソフトウェアアップデートを購入する必要がある。
 関連情報
 
 ■URL
 ニュースリリース(英文)
 http://www.apple.com/pr/library/2008/03/06iphone.html
 iPhone 2.0ベータ版ダウンロード(英文)
 http://developer.apple.com/iphone/program
 
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/03/07 12:02
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