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日本ユニセフ協会が子どもポルノ根絶に向け署名活動、特設サイト開設


左から、民主党の神本美恵子議員、公明党の丸山佳織議員、自民党の森山眞弓議員、アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使、同協会の早水研専務理事、ECPAT/ストップ子ども買春の会の宮本潤子共同代表、伊藤啓二弁護士
 日本ユニセフ協会は11日、「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンを開始した。特設サイトで署名を募り、政府や通信事業者、関連団体などに提出し、子どもポルノ根絶に向けた法改正や具体的な取り組みを求める。

 特設サイトにある「子どもポルノ問題に関する緊急要望書」では、「児童買春・児童ポルノ等禁止法」の成立以降も問題解決に向けた兆しが見られないこと受け、子どもポルノの単純所持を処罰対象にすることや、児童の性的な姿態や虐待などを描写したアニメ、マンガ、ゲームを違法化することなどを訴えている。

 特設サイトでは、今回の要望書に賛同するWeb署名を受け付けるほか、用紙をダウンロードすることも可能。キャンペーン終了日は未定だが、11月にブラジルで開催される「第3回 子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」に向けたものだという。11日には、衆議院第2議員会館にて、今回のキャンペーンに関する記者発表会が行なわれ、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン氏らが署名を呼び掛けた。

 アグネス・チャン氏は、大使に任命された1998年から世界の児童買春・ポルノ問題に取り組んでいるという。「児童ポルノは人権侵害。製造や所持がいけないことを声を大にして訴えるべき。これは国際問題なので、1つの国の法律が不十分では意味がない。法律は第一歩に過ぎないが、まずは法律で規制することが重要」と訴えた。「児童買春・児童ポルノ等禁止法のときは、全国から4万人の署名を得た。今回も多くの署名を集め、政府に立法化を求めたい」とした。


特設サイト 「(署名は)誰かがするだろうと思わず、自分が動いてほしい」と呼び掛けるアグネス・チャン氏

子どもポルノ作品実態把握のため秋葉原視察も

 日本ユニセフ協会の早水研専務理事は、今回のキャンペーンと要望書の趣旨を説明した。これまでの取り組みを振り返った上で、「供給側の規制はできたが、需要する側は野放しの状態。子どもポルノは児童虐待そのもの。製造過程での虐待だけでなく、インターネットに晒されることが虐待となる。一度、ネットにのればデータは消えず、人間の尊厳を一生涯にわたって侵害することにもなる」と述べた。

 伊藤啓二弁護士は、要望書の内容について説明した。「単純所持を違法化しないことは、所持してもいいことを容認しているのと同じ。それを禁止することで、需要を阻止するだけでなく、製造を防止できる可能性もある」とコメント。また、児童の性的な姿態や虐待などを描写したアニメ、マンガ、ゲームだけでなく、18歳以上が児童を演じるアダルトビデオなども「準児童ポルノ」として違法化することなどを訴えた。

 今回のキャンペーンには、ヤフーやマイクロソフトも賛同団体に入っている。これについてECPAT/ストップ子ども買春の会の宮本潤子共同代表は、「企業が協力していることは大きい。企業は、まず法律で規制してもらうことを求めている。それによって、しかるべき対応が行なえる」と話す。さらに、検察・裁判所をはじめとする法曹・司法関係者には、児童買春・児童ポルノ等禁止法事犯に対し、厳格に同法を適用し、刑を科すよう訴えた。

 このほか、記者会見には自民党の森山眞弓議員、公明党の丸山佳織議員、民主党の神本美恵子議員も出席し、政府の取り組みについて説明した。「単純所持については、違法化の方向で進んでいる」(森山議員)としたほか、アニメ、マンガ、ゲームについては、「秋葉原視察などを行ない実態を把握した上で、議論を深める必要がある」(丸山議員)との考えを示した。「ホットラインセンターの視察やゲームの資料も見た。とても酷いものばかり。この問題には超党派で取り組んでいきたい」(神本議員)。


関連情報

URL
  なくそう!子どもポルノ
  http://www.unicef.or.jp/special/0705/

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( 野津 誠 )
2008/03/11 18:26

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