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“永遠のビギナー”対策に、マルウェアが使う通信ポートの遮断も

総務省の研究会、通信事業者向けガイドラインの必要性を指摘

 総務省は4日、「次世代の情報セキュリティ政策に関する研究会」の中間報告書を公表した。5月4日までパブリックコメントを募集する。

 報告書では、昨今の状況として、Webサイトにアクセスするだけでマルウェアに感染してしまう攻撃が発生していることや、適切な情報セキュリティ対策を行なわない利用者がボットなどに感染し、自分が被害者となるだけではなく、本人が気付かないうちに加害者となる可能性もあると説明。「利用者は、インターネットをはじめとしたICT利用にする際の社会的責任として、必ず一定程度の基本的な情報セキュリティ対策を講じなければならない」と考えることが妥当だとし、政府は電気通信事業者などと連携して普及啓発活動に充実に努めるべきであるとしている。

 しかしながら、インターネットの普及に伴い、情報セキュリティ対策に対する意識やスキルが必ずしも高くない“永遠のビギナー”が存在するため、「一部の利用者が高度な情報セキュリティ対策を講じても、我が国の全体としての情報セキュリティ向上には繋がらないという現実」があると指摘。

 そこで、より効果的な取り組みとして、マルウェアの感染活動などに利用されている通信ポートを電気通信事業者が閉じて、マルウェアが活動できない状態にするなど、情報セキュリティを確保するために電気通信事業者が取り得る正当業務行為の範囲についてのガイドラインを検討することが必要だとしている。

 また、利用者が誤ってフィッシングサイトやマルウェア配布サイトなどと通信するのを防止するため、信頼性の高い「危険なWebサイトに関するリスト(レピュテーション・データベース)」の構築・運営方法についての実証実験を促進し、効果を検証することが必要だとも述べている。


実証実験のイメージ(「次世代の情報セキュリティ政策に関する研究会中間報告書」より)

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URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080404_10.html

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( 永沢 茂 )
2008/04/04 16:47

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