「iTunes Store」より遅れて音楽ダウンロード販売を開始した「Amazon MP3」は、2番手のサービスと目されていたが、じつはiTunesとは異なる顧客層を開拓していたことが、米調査会社NPD Groupの新調査結果によって判明した。
それによると、Amazon MP3利用顧客のうち、それまでにiTunesから音楽を購入した経験のある顧客は10%にとどまったとしている。これは両社の顧客がほとんど重なりあっていないことを意味している。
iTunesでは、現在も多くの楽曲でApple独自のDRMが使用されているのに対して、2007年9月に発表されたAmazon MP3は、大手レコードレーベルすべてからDRMフリーの音楽を、より高いビットレートで、アラカルト販売している。
売上高では未だにiTunesはAmazon MP3の10倍はあり、単純に比較することはできないが、この調査では異なる顧客層が購入していることについて分析している。
例えば、Amazon MP3利用顧客の64%が男性だったのに対して、iTunesでは男性の割合は44%だった。また、Amazon MP3では、18歳から25歳の層の利用者が多いのに対して、13歳から17歳までのティーン層利用者はわずか3%だった。それに対してiTunesでは18%がティーン層であり、多くがiTunesギフトカードを利用していた。
この調査結果について、NPD Groupエンターテイメント業界担当アナリストであるRuss Crupnick氏は「Amazonの素早い成長が、iTunesの犠牲の上に成り立っているのではないように見えることは、業界が健全な証拠であり、デジタル音楽顧客層がiTunesコミュニティに参加していない新たな顧客層に拡大していけることを示している」とコメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.npd.com/press/releases/press_080415.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/04/18 11:58
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