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NTTが音楽・映像コンテンツの特定技術を開発、米国で実証実験を開始


技術を開発したNTTコミュニケーション科学基礎研究所の外村佳伸所長
 NTTは22日、あらかじめ登録された特定の音楽や映像が、インターネット上の投稿コンテンツなどに含まれているかを高速に検出できる「ロバストメディア探索技術」を開発し、米国のモニタリング企業と共同で実証実験を開始すると発表した。

 NTTが開発した「ロバストメディア探索技術」は、音や映像の信号の断片を探索のキーとして使用するフィンガープリント技術の一種。従来の技術に比べると、音質・画質の劣化や、テロップ・吹き替え音声の追加など加工が施されたコンテンツについても、高い精度で元のコンテンツを特定できる点が特徴としている。

 ロバストメディア探索技術は、音の波形値や映像の画素値を元に特徴データと呼ばれる数値を抽出する部分と、特徴データを高速に照合する部分からなる。特徴抽出部では、映像をいくつかの領域に分割し、その中で特徴に乏しい領域は対象から除外するなどの手法を用いることで、劣化や加工したコンテンツでも特徴を効率的に抽出・判定できるという。また、特徴データサイズを圧縮することにより、照合処理の高速化を実現したとしている。

 NTTでは開発した技術を「ロバストメディア探索プラットフォーム」として、米国でネット上の投稿コンテンツのモニタリングを行なっているBaySTPと共同で実証実験を開始する。BaySTPは米国の大手メディアグループ企業などを顧客に持ち、インターネット上に著作権を侵害するコンテンツが投稿されていないかといったモニタリングサービスを展開している。

 実証実験では、NTTの技術によりコンテンツ特定を試行し、検出精度や処理速度などの性能評価を行なう。今回の実験では、コンテンツ企業から提供された映画数千本相当のデータに対して、ネット上の動画や音声など1日数万件の照合処理を行なう。実証実験期間は9月末までの予定。

 NTTでは、この実験の結果を踏まえて、さらに研究開発を進めるとともに、コンテンツ特定サービスなどについてNTTグループ企業でのビジネス化を検討していくとしている。


ロバストメディア探索技術の工夫点 実証実験の構成

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.co.jp/news/news08/0804/080422a.html


( 三柳英樹 )
2008/04/22 14:28

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