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欧州の医師、IT機器の使用が拡大


 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が25日に発表した全欧州規模の健康産業における電子機器・サービスに関する利用動向調査によれば、欧州の医師の87%がコンピュータを使用し、48%がブロードバンドを利用していることが明らかになった。

 報告書によれば、多くの医師が患者の情報、検査結果などを電子的に管理しており、既に医療産業において相当のサービス改善がみられているという。特に病院の管理、待ち時間の減少などに効果が現われているようだ。管理に加えて、遠隔診療、電子処方、国境を越えた医療サービスの提供の容易化など、種々の方面で効果が出てきているという。

 また、ブロードバンド普及がおよそ半分近くに上ってきたことも明らかになり、これにより、医療産業の管理が効率化されることがいっそう期待されると欧州委員会の委員であるViviane Reding氏は述べる。診断分野では、データを欧州全土から収集することにより、飛躍的に精度などの改善が期待できるとしている。

 ブロードバンドの普及率が91%に達しているデンマークでは、60%の医師が患者との情報交換に電子メールを利用している。また、電子処方についても97%の普及率を見せたのがデンマークで、スウェーデンの81%、オランダの71%がこれに続く。

 データ管理については、80%が管理にIT機器を使用しており、92%が診断・処方の医療データを保存、35%はX線画像も保存しているという。検査データについては、検査会社とのやりとりについては40%がIT機器を利用しているようだが、他の医療機関への転送については10%にとどまっている。

 遠隔医療については、まだ普及が始まったばかりで、最も普及しているスウェーデンで9%にとどまった。国境越えの医療サービスについても、最も普及しているオランダでも5%にとどまっている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/641&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


( Gana Hiyoshi )
2008/04/30 18:19

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