米Adobe Systemsは1日、同社の新しい戦略の一画を担う「Open Screen Project」を発表した。PCだけでなく、携帯電話やテレビ、家電などで、リッチコンテンツを扱えるようにするためのプロジェクトで、すでに業界をリードする多くの企業が参加を表明している。
現時点で参加を表明している企業にはARM、Chunghwa Telecom、Cisco、Intel、LG Electronics、Marvell、Motorola、Nokia、NTTドコモ、Qualcomm、Samsung Electronics、Sony Ericsson、東芝、Verizon Wirelessが名前を連ねている。さらにコンテンツプロバイダーも、BBC、MTV Networks、NBC Universalが参加を表明した。
携帯、テレビ、家電でリッチコンテンツを利用するために、Adobeはいくつかの方針を発表した。まず、Flashテクノロジーで使われているSWFとFLV/F4V仕様の利用規約を変更。これまでAdobeは、SWFファイル形式を出力するソフトウェアを認めていたが、再生するソフトウェアの開発を禁じていた。これは、複数のプレーヤーが乱立することによって、混乱を防ぐためだった。しかし、Adobe Flash PlayerがPC上で98%のシェアを獲得するに至り、この規約を廃してもよいと判断した。
また、Adobeは、Adobe Flash PlayerのためのデバイスポーティングレイヤーAPIを公開する。これは、異なるOSやデバイスの上でAdobe Flash Playerが動作するよう抽象化するためのAPIだ。さらに、Adobe Flash Castプロトコルと、AMFプロトコルを公開した。これは携帯ネットワークで使用するための通信プロトコルだ。
これに関連して、Adobe Flash PlayerとAdobe AIR for Devicesのライセンス費を撤廃した。
こうした新しい方針について、AdobeのShantanu Narayen CEOは「開発者ための一貫した、よりオープンなプラットフォームは、迅速なイノベーションを推進し、ユーザーエクスペリエンスを途方もなく改善するだろう」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200804/050108AdobeOSP.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/05/02 11:26
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