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米GoogleがWiMAX事業に5億ドル出資、ClearwireとSprintの合弁事業に


 米Googleは7日、米Clearwire Corporationと米Sprint Nextel Corporationが主導するWiMAXブロードバンド合弁事業に対して、5億ドルを出資すると発表した。この事業には、GoogleのほかにIntel、Comcast、Time Warner Cable、Bright House Networksが出資し、総額32億ドルで新会社が設立されることになっている。

 Googleは2007年から2008年初めにかけて米連邦通信委員会(FCC)が主催した携帯周波数帯オークションに参加し、46億ドルを費やす予定だったが、落札しなかったために、携帯電話ネットワーク事業への本格的な参画は今のところない。しかし、依然としてワイヤレスブロードバンド事業を重要視していることが改めて明らかになった。

 今回、ClearwireとSprintの主導によって設立される新会社は、全米規模としては初めてとなるWiMAXネットワークを展開。コンシューマから大企業まで多様な顧客層に向けてモバイルブロードバンド事業を展開していく。新会社の株式の51%はSprintが保有し、Clearwireが27%を、GoogleやIntelなどが残り22%を分けることになる。

 新会社は2010年までに、米国内における1億2,000万から1億4,000万の人口をカバーするネットワークを開始する予定。そのため、Sprintがすでに構築した全米規模のモバイルWiMAXネットワークインフラを活用する。これには、Sprintが設置した塔や光ファイバネットワーク、ITサポートが含まれており、格安で利用することになる。Sprintは、塔やその他のインフラを新会社と共有することによって、コアビジネスのコストを削減できるとしている。

 Googleは、新会社が開発するインターネットサービスや広告サービス、モバイルWiMAX端末アプリケーション分野で提携する。特に、新会社が開発する音声データ端末でGoogleのAndroid携帯OSをサポートする。また、新会社が提供する端末では、Googleが検索サービスを提供し、他のアプリケーションに関しても推奨プロバイダーとなる。

 WiMAX事業への出資に関連してGoogleは、新会社のネットワークに関して公式ブログにコメントを寄せた。1)米国内における高度な高速ワイヤレスインターネット接続を拡大し、2)いかなる合法的アプリケーション、コンテンツ、端末であっても、インターネットトラフィックをブロックしたり、劣化・減速なしに消費者が使用できるようにし、3)合理的で、かつ競合相手に関して中立なネットワーク管理を行なう――と説明している。

 Intel Capitalを通して新会社に出資するIntelは、Centrino 2を採用したノートPCやモバイルインターネット端末(MID)にWiMAX半導体を組み込むようメーカーと協力する。また、他の出資者は新会社の4G/3Gサービスのホールセールプロバイダー契約を結ぶ。

 Googleは、FCCの携帯電話周波数帯オークションで落札した携帯大手のVerizonに対して、ネットワークをオープンにするとのFCCとの約束を守るよう強く求めている。それは、Googleの検索や広告サービス、Androidを採用できるようにするためだ。

 さらにGoogleは今回、新たに5億ドルを費やすことによって、新WiMAXネットワークにも参入する機会を得たことになる。携帯以外でも、さまざまな種類のワイヤレスブロードバンドでGoogleのサービスを利用する環境を整えつつある。


関連情報

URL
  Clearwire
  http://www.clearwire.com/
  Google公式ブログの該当記事(英文)
  http://googleblog.blogspot.com/2008/05/investing-in-future-of-open-internet.html


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/05/08 11:38

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