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ニコ動のコメントでヤフオクへの入札も可能になる!?

ヤフーとニワンゴ、協業への経緯と今後を説明

 ヤフーとニワンゴは9日、「Yahoo! JAPAN」と「ニコニコ動画(SP1)」の協業に関する記者説明会を開催した。両社から、協業の具体的な内容と今後について説明があった。


協業の話は2007年7月、ヤフー側から

(左から)ヤフー喜多埜取締役COO、ドワンゴ小林社長、ニワンゴ杉本社長
 ヤフー取締役COOの喜多埜裕明氏は、「ニコニコ動画はユーザーの滞在時間が長いことが特徴。ヤフー含め、他のサービスと比べても滞在時間は長く、そこは我々も目指しているところ」と話す。「ユーザーは検索サービスを通じて外部サイトへ出ていくもの。ヤフーのサービスを外部サイトでも使ってもらうことで、ビジネスを活性化できる」とした。

 また、ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏は、「日本のインターネットを牽引してきたヤフーと、サービスを開始して1年ちょっとのニコニコ動画が連携できることは感慨深く、嬉しい。今後、両社で新しいビジネス展開が行なえることに興奮する」と話す。協業の話は、2007年7月にヤフーからあったとのことで、「当時、会員数は200万人だったが、そこで声がかかったことに驚いた。逆にしっかりやらなければと気が引き締まった」と経緯を説明した。

 ニワンゴ代表取締役社長の杉本誠司氏は、協業内容について説明した。協業の第1弾として、ニコニコ動画内のECサービス「ニコニコ市場」に「Yahoo!ショッピング」の商材を追加できるようになった。この狙いについて杉本氏は、「今までフォローできなかった食品やインテリア用品などのラインナップを生かすことで、購買行為そのものに広がりができる。また、ニコニコ動画に少ない女性層や30代の利用者および収益の拡大も望める」とコメントした。


ニコニコ市場でのYahoo!ショッピング対応 Yahoo!ショッピングの商品表示例

 杉本氏は、ニコニコ市場におけるYahoo!ショッピング連携の活用例として、「Yahoo!ショッピングに出店しているオーナーが、ニコニコ動画にあわせた商品をセレクトしたり、動画を使った商品の紹介が行なえる」と説明した。

 また、喜多埜氏は、ヤフーのニコニコ動画対応サービスを紹介。ニコニコ動画の検索インデックスを活用することで、Yahoo! JAPANの動画検索においてニコニコ動画の検索精度向上を図った。さらに、「Yahoo!ツールバー」がニコニコ動画検索に対応した。

 「ニコニコ動画が外部に対して動画の検索インデックスを提供するのは初めて。単純なクロールによる情報収集ではなく、フィードを利用することでタイムリーな情報を検索結果に反映できる」という。Yahoo!ツールバーの検索機能では、ニコニコ動画の検索結果ページを表示する。


Yahoo! JAPANの動画検索でニコ動のヒット率アップ Yahoo!ツールバーでニコニコ動画検索が可能に ツールバーにニコ動検索機能を追加して使用する

ニコ動の著作権面を確認しながら協業を進めた

 今後は、Yahoo! JAPAN IDでニコニコ動画にログインできる「ID連携」をはじめ、「Yahoo!オークション」とニコニコ動画の連携を予定する。開始時期は未定。杉本氏は、「オークションをニコニコ動画のコミュニティサービスの1つとして取り込んでいくことで、動画を介して、オークションの新しい遊び方やマーケットを生み出せる」とした。「ニコニコ動画のコメント機能を利用して入札できる可能性もある」という。

 近日中には、「Yahoo!ブログ」にニコニコ外部プレーヤーを貼り付けられるようになる。また、「Yahoo!ウォレット」を「ニコニコプレミアム(有料会員)」の決済に利用できるようになる。喜多埜氏は、「Yahoo!ウォレットの対応により、両社で売上もアップできれば」とコメントした。さらに、ヤフー子会社のオーバーチュアが提供する検索連動型広告を、ニコニコ動画に導入する予定。「広告面でもマネタイズしていきたい」とした。


ニコ動からヤフオクが利用可能に 動画再生画面にYahoo!ブログへの投稿機能を設置 ニコニコ動画の決済手段にYahoo!ウォレットを追加

 ヤフーとしては、ニコニコ動画の著作権対策も気になるところだが、それについて喜多埜氏は、「最初に協業の話をしたときは、著作権問題で厳しい状況だった。まずは、何か一緒にしたいとうところから話を始め、著作権対策でもお手伝いできるところがあれば、協力していくという感じだった」と話す。「ヤフーも古くから著作権対策をしているが、ニコニコ動画もこの1年でとても苦労されたと思う。ヤフー社内でもニコニコ動画の著作権面を確認しながら協業を進めていった」という。

 小林氏は、コンテンツホルダーと著作権の話をする中で、「対応は業種により千差万別」だと話す。「けしからんと思うところもあれば、活用したいという話をいただくところもある。テレビ局は基本的に動画掲載は駄目で、JASRACは著作権許諾を得ていない動画掲載は認めないというスタンス」と説明。「ただし、JASRACに話したときは、ニコニコ動画の取り組みを理解してもらえた。他の著作権管理団体などからも、ニコニコ動画のサービス停止要求まではいかず、ちゃんと対策してほしいと言われる」という。「今後も違法動画のアップロードを監視するチームや、システム的な防止策を進めながら、さらに、著作権者の方々とは、ビジネスとしてニコニコ動画を活用するような話をしていきたい」とコメントした。


関連情報

URL
  ニュースリリース(PDF)
  http://info.niwango.jp/pdf/press/2008/20080509.pdf

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( 野津 誠 )
2008/05/09 19:07

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