米Googleの共同創業者であるLarry Page氏は22日、米国ワシントンD.C.のNew America Foundationで開かれた会合で、同社のワイヤレスインターネット事業の考え方について説明した。
Page氏は、「世界中の情報を整理することがGoogleのコアビジネスである」として、「もしインターネットにアクセスできる人が誰もいなければ、この仕事には意味がない」と説明。そのためにGoogleは、周波数帯の利用方法に関連する政策決定に関与していると、一連の動きについて述べた。
そして、最近Googleが提案している、テレビ放送用周波数帯の未使用領域、いわゆる「ホワイトスペース」をブロードバンド接続に使用することが、米国にとって重要だと主張。米国は、ブロードバンド普及率で世界3位から16位にまで転落しており、この周波数帯を有効利用できれば、より多くの米国人がブロードバンドを使用できると指摘した。
さらに、ホワイトスペース利用が隣接周波数帯と干渉するとの指摘を退け、「連邦通信委員会(FCC)のプロセスに従えば、どのような端末であれ、干渉しないことを証明できない形で消費者に販売することができない」と指摘。ホワイトスペースをインターネット接続に利用できることに「100%の自信がある」と主張した。
Page氏は、米国の周波数帯利用方法は非効率的だと指摘。Googleの広告オークションシステムのように、政府が周波数帯をリアルタイムにオークションにかけることを提案した。特に、米国国防総省など周波数帯を多く保有している政府機関に対してこの提案を行なっており、オークションにより端末や消費者が必要な時に未使用周波数帯を確保でき、政府収入の増加にも繋がると指摘している。
Page氏は講演の中で、世界中の情報を整理することがGoogleのコアビジネスであると指摘した。これは暗に、携帯事業がGoogleのコアビジネスではないことを示している。昨年から今年にかけて、Googleは700MHz帯携帯周波数オークションに参加した。結局Googleは落札せずに終わり、携帯電話事業に本格参入することはなかった。しかし、その一方で落札企業に対して携帯ビジネスをオープンにする約束を守らせることができるようになった。そのため、一部アナリストは当初からGoogleの目的はそこにあったのだと指摘していた。今回の発言はその意味からも注目できる。
関連情報
■URL
Google Public Policy公式ブログの該当エントリー(英文)
http://googlepublicpolicy.blogspot.com/2008/05/larry-page-talks-about-googles-vision.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/05/23 12:06
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