欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は5月30日、加盟国のうちの13カ国で公的サービスへのアクセスを容易にする「電子ID(eID)」システムのパイロットプログラムを実施すると発表した。
EU域内では現在、3,000万枚の加盟国レベルのeIDカードが使用されており、社会保障システムや納税システム、雇用保険などで使用されている。今回の委員会プログラムではこれらを統合して個人を認証するためのIDカードとして使用するのみならず、PINコードなどの他のIDシステムも統合し、自国だけでなく加盟各国全域で使用可能な本当の意味でのIDカードを目指すとしている。
これについて、欧州委員会の担当委員であるViviane Reding氏は、現在使用されているeIDは「移動するEU市民にとっては十分ではない」と指摘。今回のeID開発によって、EU域内のスムーズでシームレスな移動を実現することができると期待しており、真の意味での単一市場の実現が可能であるとの認識を示した。
公的分野でのオンラインサービスは、EU域内では急速に整備・普及している。しかし、各国がバラバラであるのが現状であり、効率よいサービスが提供されているとはいえないとしている。パイロットプログラムでは、PCに加えて携帯端末でもスムーズに利用ができるように開発を進めるという。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/824&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/06/02 15:48
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