欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は4日、欧州共通の電子履歴書「Europass」の利用者が300万人を突破したことを明らかにした。
Europassは、EU共通の電子履歴書とでもいうべき書類。自分の履歴について一定の項目をEU共通の様式で記入することによって作成できる。2005年に始まったシステムのため、3年で利用者が300万人に到達したことになる。Europassのポータルにはすでに1200万人が訪れており、当初300万人達成は2010年と予想されていたことから、EUではプロジェクトとしては成功したと評価している。
Europassには、学歴、職歴、資格などのほか、言語の記載欄もある。EUにある26言語に共通のフォーマットを用意しており、利用者側も企業側も簡単に使える仕様になっているという。Europassは5種類の書類から構成されており、履歴書の本体である「Europass CV(ECV)」および言語能力を示す「Europass Language Passport」は利用者が用意することができるようになっている。学歴を示す「Europass Diploma Supplement」、資格歴を示す「Europass Certificate Supplement」および他国での職歴・交換学生制度の利用などの履歴を示す「Europass Mobility」は権限のある官公庁が発行することになっている。5種類合わせるとすでに350万を超える利用者がいる。その中心であるECVは310万に達し、2008年だけですでに90万人に到達しているという。
Europassはコストパフォーマンスがよいシステムとして導入を検討する向きが広がっており、EU側も250万ユーロの予算をその開発・普及のために確保している。また、開発主体であるNational Europass Centers(NEC)は、Europass Mobilityを管理しているが、このようなユニークな証明書を発行することで人的交流が広がり、EUの活力向上に資するものと期待されるとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1106&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/07/07 12:21
- ページの先頭へ-
|