米Microsoftは25日、Webサーバーソフト「Apache」の開発支援母体であるApache Software Foundation(ASF)のスポンサーに就任したと発表した。この発表は世界最大のオープンソース会議「OSCON」で行われた。
Microsoftは、同社自身のWebサーバーソフトである「IIS」を有しており、そのような企業がApacheを支援する立場となることは注目に値する。
この意図について、Microsoftのプラットフォームストラテジー担当シニアディレクターであるSam Ramji氏は、同社のオープンソース戦略についてコメントする公式ブログの中で、「これはIISがMicrosoftの戦略的Webサーバーテクノロジーでなくなるということではない。我々は引き続きIISに長期的な投資を続け、そして現在もIIS8の開発途中だ」と説明した。
OSCONの中で、MicrosoftはIISとSQL Server上でPHPを利用しやすくするために、PHPで使用されるデータアクセスレイヤー「ADOdb」のパッチをLGPLとBSDライセンスで公開した。
さらに、これまで「Communications Protocol Program」に含まれていたさまざまなプロトコルを「Open Specification Promise」に移管することによって、このプロトコル使用時にMicrosoftから特許裁判を起こされないことを保証した。
このようにMicrosoftは、オープンソースソフトウェアとの相互運用性を実現すべくさまざまな積極的試みを始めており、今回のASFスポンサー就任もその戦略の1つと言えそうだ。
Ramji氏によれば、これまでにもMicrosoftはASFの保護のもとで開発されているプロジェクト「Apache POI」「Apache Axis 2」「Jakarta」に関与しており、今後ともこれらのオープンソフトウェアに関して、テクニカルサポートと相互運用性をテストするための業務を遂行するとしている。
MicrosoftがASFのスポンサーとして提供する資金は、ネットワーク管理者や他のサポートスタッフに給料を支払い、その結果、開発者がソフトウェア開発に専念できるように助けることになる。
関連情報
■URL
米MicrosoftのPort25公式ブログの該当記事(英文)
http://port25.technet.com/archive/2008/07/25/oscon2008.aspx
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/07/28 12:40
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