欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこのほど、国際刑事警察機構(インターポール)との間で行っている紛失・盗難パスポートについての情報交換に関する報告書を承認したことを明らかにした。
司法・自由・安全保障担当委員のJacques Barrot副委員長は、この情報交換プログラムである「Council Common Position 2005/96/JHA」の存在が、テロ防止におおいに寄与していることを評価。すでに、EU加盟各国が情報提供することによって多大な寄与をしていることに言及した。インターポールに寄せられる情報のうち、じつに3分の2がEU加盟各国によるものであり、調査ベースでも半数に上ることも明らかにした。
今回の報告書では、以下の5つの点で進展があったと結論付けた。まず、インターポールと現在および将来にわたりパスポートの情報が交換されること、2つめとして、このデータがEUのシェンゲン情報システム(SIS)または各加盟国のデータベースにアップロードされると即座にインターポールにも交換可能となること、3つめとして、個人情報については適切なレベル以上のインターポール職員のみがアクセス可能とすること、4つめとしては、各加盟国に対してインターポールのデータベースを利用するために一定の義務を課すとともに法整備も要求し、調査を容易にするために必要とされるインフラ整備も要求すること、最後に、問題のあるIDがあった場合に必要とされる行為について各加盟国が法整備を行うことを提言している。
また、2006年の前回報告時から各加盟国における義務履行についてかなりの進歩がみられることも言及されたが、未だ不十分な点があり、これからもさらなる努力が必要とされると評価した。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1228&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2008/08/04 14:31
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