トレンドマイクロは、ウイルス対策製品の共通モジュールであるウイルス検索エンジンの最新版「VSAPI 8.9」の公開を延期した。当初、個人向け製品の「ウイルスバスター」では20日に自動アップデートを通じて配信する予定だったが、一部の環境で不具合を確認したため延期した。
不具合が発生したのは、プレミアムサポートを契約している海外の一部法人ユーザー。プレミアムサポートでは、通常のパターンファイルが作成される前に緊急対応用の「バンテージパターン」を配布しているが、VSAPI 8.9を導入した状況で、あるバンテージパターンを適用すると、ブルースクリーンを起こすケースを確認したという。
バンテージパターンは一部の法人ユーザーのみに配布されるため、個人ユーザーには今回の不具合の影響は及ばないが、トレンドマイクロでは「慎重に確認するために」VSAPI 8.9の公開を延期したという。同社では9月には公開する予定としている。
VSAPI 8.9は、パターンファイルに含まれる、不正プログラムの有無の確認に使用する情報だけをカーネルメモリに展開することが特徴。これにより、平常時のVSAPIのカーネルメモリ使用量を最大70%削減し、他のアプリケーションが使用可能な領域を大きくすることができるという。
関連情報
■URL
ウイルス検索エンジン VSAPI 8.900 公開のお知らせ
http://www.trendmicro.co.jp/support/news.asp?id=1121
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( 増田 覚 )
2008/08/20 17:54
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