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IE8では標準準拠と互換性を重視、マイクロソフトが説明会を開催


Internet Explorer 8ベータ2
 マイクロソフトは28日、次期Webブラウザ「Internet Explorer 8(IE8)」のベータ版(ベータ2)を公開した。日本語版を含む4言語版が用意されており、マイクロソフトのサイトからダウンロードできる。対応OSはWindows Vista/XPおよびWindows Server 2008/2003。

 マイクロソフトでは、これまで開発者向けにIE8ベータ1を公開していたが、今回のベータ2は一般向けのダウンロード提供となり、誰でもダウンロードできる。マイクロソフトでは、IE8ベータ2は企業のIT管理者やWeb開発者、先進的なユーザーに試用してもらいたいとしている。

 ただし、IE7とIE8ベータ2の併用は考慮されておらず、IE8ベータ2をインストールした場合には、IE7は利用できなくなる。IE8ベータ2をアンインストールすれば元の環境には戻るが、試用にあたっては専用のPCを用意するなどの環境を整えた方がいいだろう。


「速い」「便利」「安心」がキーワード、標準準拠と互換性を重視

マイクロソフトの中川哲氏
 28日には、マイクロソフト日本法人がIE8ベータ2に関する説明会を開催。IE8の新機能や互換性などについて、デモを交えながら解説した。

 マイクロソフトビジネスWindows本部の本部長である中川哲氏は、「IE8のキーワードは『速い』『便利』『安心』の3つ」と説明。また、開発にあたっては標準準拠と互換性を特に重視しているとして、Webの標準規格に準拠する一方で、既存のページとの互換性にも配慮していると語った。

 続いてビジネスWindows本部シニアプロダクトマネージャの原田英典氏が、IE8ベータ2日本語版の各機能について説明。標準準拠については、CSS2.1に準拠することで相互運用性が高まり、サイト構築やメンテナンスが容易になると説明。「IE7のリリース時にはWebページのIE7対応をお願いする形となったが、これからは標準への準拠をお願いする形になる」と述べた。

 既存のページの互換性については、IE8に「IE7標準モード」が搭載されることを紹介。IE8をこのモードに切り替えることで、ページの表示やスクリプトの処理などがIE7と同一となる。IE7標準モードはユーザー側で切り替えが可能なほか、Webページ中にMETAタグで指定するか、Webサーバー側でHTTPヘッダにより指定することで、IE8が自動的にIE7標準モードで動作するようになるため、IE7に依存したWebアプリケーションなどでも最低限の修正でIE8でも対応できるとした。

 また、高速化の面では、IE8では高度なWebアプリケーションなどに対応するため、HTML解析やスクリプト処理の改善により、IE7やIE6に比べて大幅な高速化を実現したと説明。Sun SpiderのJavaScriptベンチマークでは、スクリプトの処理時間がIE7に比べて5倍、IE6に比べて7倍高速化したという結果を紹介した。


IE8には「IE7標準モード」が搭載され、既存コンテンツに対応する スクリプトの実行速度を高速化

アドレスバーやタブ機能、セキュリティ面での新機能

 ユーザーインターフェイス面での新機能としては、アドレスバーに入力した文字列でお気に入りや履歴からの検索が可能となる機能や、新規タブに設けられた「閉じたタブを再度開く」機能、検索結果から開かれたタブは色分けして表示する「タブグループ」機能などを紹介。検索ボックスからの検索でも、入力された文字列に対して即座に検索候補文字列や検索結果候補を表示するなど、ブラウジングをより便利にする機能を多数搭載したと説明した。

 ブラウジングを便利にする機能としては、選択したページ内の文字列をキーワードとして直接検索などのサービスが利用可能となる「アクセラレータ」機能と、ユーザーがWebページの一部を切り取って保存しておけるようになる「WebSlices」機能を紹介。これらの機能の利用にはサイト側での対応が必要となるが、実装することで訪問者に便利な機能を提供できようになると説明した。

 このほか、セキュリティ面では、フィッシング詐欺サイトに加えてマルウェア配布サイトもブロックする機能を持つ「SmartScreenフィルター」機能や、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃に対するフィルター機能を紹介。また、ブラウザがクラッシュした場合に問題となったページのタブだけを閉じて、他のタブには影響を与えないようにする「自動クラッシュ復元機能」や、履歴やCookieを一時的に保存しないようにする「InPrivate機能」など、インターネットを安心して利用できるための新機能を備えたとした。

 マイクロソフトでは、IE8の正式版リリースまでに主要WebサイトのIE8への対応や、新機能である「アクセラレータ」「WebSlices」への対応を呼びかけていくとしている。


アドレスバーからお気に入りや履歴の検索も可能に タブを色で分類する「タブグループ」

Webページ中の文字列から直接検索などが行える「アクセラレータ」機能 Webページの一部を切り取る形で参照できる「WebSlices」機能

関連情報

URL
  Internet Explorer 8
  http://www.microsoft.com/japan/windows/products/winfamily/ie/beta/default.mspx

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「IE8」ベータ2一般公開、日本語版を含む4言語版(2008/08/28)


( 三柳英樹 )
2008/08/28 18:07

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