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2007年国内デジタルコンテンツ市場は2兆6947億円、DCAjが推計


デジタルコンテンツ白書2008
 デジタルコンテンツ協会(DCAj)は、「デジタルコンテンツ白書2008」を2日に発刊する。それによれば、2007年における国内のデジタルコンテンツの市場規模は、インターネットや携帯電話の流通が好調で前年比3.4%増の2兆6947億円に上るという。

 デジタルコンテンツ白書2008は、2007年のデジタルコンテンツおよびコンテンツ産業の市場規模をまとめた書籍で、価格は6000円。デジタルコンテンツの市場規模は、デジタル形式で記録されたコンテンツを対象として、2007年の売上金額を合計したものを推計している。

 流通メディア別では、パッケージ流通が1兆8675億円(前年比1.5%減)と低調だったが、インターネット流通が3006億円(10.3%増)、携帯電話流通が5266億円(19.9%増)と成長。パッケージ流通が年々縮小する一方で、インターネットや携帯電話によるコンテンツ流通が増加傾向にあるという。

 コンテンツの種類別では、映像系コンテンツが7897億円(前年比10.6%増)で最も多く、次いで音楽系コンテンツが7677億円(2.3%減)、ゲーム系コンテンツが5965億円(2.2%減)、図書・画像・テキスト系コンテンツが5408億円(8.7%増)と続いている。


デジタルコンテンツの分野別規模の推移

DCAj企画・推進本部の宮島慎一氏
 映像系コンテンツは、ブロードバンド化や携帯電話の定額制が浸透したことで、利用者が増加。その結果、インターネット配信が444億円(20.8%増)、携帯電話配信が1033億円(41.2%増)と大幅に増えた。パッケージソフトも、DVDレンタルが好調で6420億円(6.3%増)と伸びている。

 音楽系コンテンツは、音楽配信を含むインターネット配信が466億円(30.6%増)、着メロや着うたなどを含む携帯電話配信が1633億円(1.9%増)と順調に推移。その一方で、市場規模が大きいパッケージソフトが、前年比5.4%減の5578億円と伸び悩んだ結果、全体では減少傾向にある。

 昨年2割以上の伸び率を示したゲーム系コンテンツは、オンラインゲームが831億円(12.8%増)、携帯向けゲームが848億円(13.4%増)と順調に推移したが、市場規模の大きなゲームソフトが4285億円(2.1%減)と低迷した結果、全体では減少。ゲームソフト不振の要因についてDCAj企画・推進本部の宮島慎一氏は、「2006年に脳トレゲームなどを購入したライトユーザーが、新たなソフトの購入を控えたため」と分析している。

 図書・画像・テキスト系コンテンツでは、データ集や電子辞書などを含むパッケージソフトが2392億円(0.4%減)、インターネット配信が1264億円(0.1%増)と横ばいだったが、携帯電話配信が1752億円(33.6%増)と大幅に増加。携帯電話配信では、電子書籍が前年比220%増と高い伸び率を示した。

 DCAjでは、デジタルコンテンツ市場は引き続き成長の見通しであり、2008年は前年比7.1%増の2兆8870億円に達すると予測している。

 なお、デジタルコンテンツ以外のコンテンツ売上や広告などの売上も含めた、コンテンツ産業全体の2007年推定市場規模は13兆8180億円で、前年比0.3%の増加。内訳は、映像が4兆8462億円(0.3%増)、音楽・音声が1兆8659億円(2.1%減)、ゲームが1兆2994億円(1.0%減)、図書・新聞、画像・テキストが5兆8065億円(1.3%増)。


関連情報

URL
  デジタルコンテンツ協会(DCAj)
  http://www.dcaj.org/
  デジタルコンテンツ白書2008
  http://www.dcaj.org/dcwp/index.html

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( 増田 覚 )
2008/09/01 15:09

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