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F-Secureの2009年版個人向け製品、ゼロデイ対策を強化


 日本エフ・セキュアは9日、個人向けのセキュリティ対策ソフト「F-Secure Internet Security 2009」「F-Secure Anti‐Virus 2009」を発表した。同日からダウンロード販売を開始し、20日からはパッケージ販売も開始する。対応OSはWindows Vista/XP/2000。

 「F-Secure Internet Security 2009」の価格は、ダウンロード版の1ライセンス1年契約が4200円、3ライセンス1年契約が4580円など。パッケージ版の1ライセンス1年契約が4980円、3ライセンス1年版が10500円など。更新料金は1年延長が3280円など。

 「F-Secure Anti‐Virus 2009」の価格は、ダウンロード版の1ライセンス1年契約が3390円、3ライセンス1年契約が3780円など。パッケージ版の1ライセンス1年契約が3980円、3ライセンス1年契約が4400円など。更新料金は未定。


F-Secure Internet Security 2009 F-Secure Anti‐Virus 2009

サーバー連携で未知の脅威に対抗する「DeepGuard 2.0」

 「F-Secure Internet Security 2009」は、ウィルス対策、スパイウェア対策、ファイアウォール、侵入防止、ペアレンタルコントロール、スパムメール対策、フィッシング対策を提供する統合セキュリティソフト。「F-Secure Anti‐Virus 2009」は、今回から新たにラインアップに加わった製品で、ウィルス対策とスパイウェア対策に特化している。

 「F-Secure Internet Security 2009」では、未知のマルウェアに有効な機能「DeepGuard」の最新バージョン「DeepGuard 2.0」を搭載した。従来のヒューリスティック技術と振る舞い検知に加え、エフ・セキュアのセキュリティ情報サーバーにアクセスし、当該ファイルがマルウェアかどうかを判定できるようになった。これにより、安全・危険の判定を素早く行うことが可能という。

 パフォーマンスも向上している。「2008年版に比べて、システムの完全チェック時間は約半分に短縮された」という。また、ペアレンタルコントロール機能を強化。サイトのカテゴリーを拡充した。さらに、初心者でも使いやすいように、インストールやチュートリアルを改良した。自動インストールを選択すれば、既存のセキュリティソフトのアンインストールから本製品の登録までを簡略化できる。このほか、新たにWindows Vista 64ビット版にも対応した。


Internet Security 2009のメイン画面 Anti‐Virus 2009のメイン画面

社会貢献活動として人間へのワクチンも提供

 日本エフ・セキュアは、9日に都内で記者発表会を開催した。同社の桜田仁隆代表取締役は、「F-Secure社はフィンランドに本社があり、今年で創立20年になる。昨今では、PCはもちろん、携帯端末にもセキュリティソリューションを提供している。F-Secureの利用者は世界で数千万人。ヨーロッパではトップ3のシェアを持つ」と概要を説明した。

 「F-Secureでは、マルウェアを発見してから、その情報をソフトに反映させるまでの時間を短縮することに注力しており、ゼロを目指している」という。この考えの元、今回「DeepGuard 2.0」を導入。「通常はPC内にマルウェアの情報を入れて判定するが、DeepGuard 2.0では、最新情報をサーバーで参照できるようにした」。また、自動インストールやパフォーマンスの向上について説明し、「すべてに速く、使いやすくなった」とアピールした。

 このほか、F-Secureコンシューマ製品の売上の一部を認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」へ寄付する活動「ワクチン for ワクチン」を行う。「PCウイルスのワクチンを提供している企業だが、社会貢献として、人間へのワクチンも提供したいと考え、開始することにした」とのこと。対象製品は「F-Secure Internet Security 2009」「F-Secure Anti‐Virus 2009」の全ラインナップで、これらを販売している期間中は継続して寄付を行う。

 販売戦略については、オンラインショップと家電量販店での販売に重点を置く。オンラインでは、ソフトダイレクトやベクター、楽天など、10サイト以上で提供する予定。店頭では、ヨドバシカメラに加え、計4つの家電量販店で取り扱われる予定だ。今後1年で8万ライセンスの販売を目指す。


日本エフ・セキュアの桜田仁隆代表取締役 他社とのパフォーマンス比較 日本エフ・セキュアの社会貢献活動

検知エンジンは6つから3つに統合

 日本エフ・セキュアの八木沼与志勝テクノロジー&サービス部長は、「F-Secure Internet Security 2009」「F-Secure Anti‐Virus 2009」の具体的な機能について説明した。

 F-Secureのセキュリティソフトは、マルチエンジンを採用している。2008年版では6つのエンジンを搭載していたが、2009年版では3つになった。「エンジンを統合することで、データベースを縮小し、オーバーヘッドも小さくして、動作を速くした」とのこと。「ただ、複数あることのメリットもあるので、検知エンジンを1つにすることはない」という。

 ルートキットを検出する「BlackLight」技術も特徴としている。「F-Secureは、ルートキットの危険性をいち早く指摘した企業。ルートキット検出に関しては、世界最高峰の技術を持っている」とアピールした。

 また、「DeepGuard 2.0」は、オンラインデータベースとの連携が特徴だ。従来のDeepGuardでは、未知のプログラムを発見すると、PC内の隔離されたスペースで泳がせて、その振る舞いを見ることで、危険か安全かを判断していた。バージョン2.0では、パターンファイル作成前のマルウェアの情報をF-Secureで集約、データベースに登録しておくことで、その情報を参照すれば、怪しいプログラムを即座に判定できるという。

 「DeepGuard 2.0」では、未知のプログラムを検知すると、サーバーにプログラムのハッシュ値(フィンガープリント)を送る。フィンガープリントがデータベースと一致すれば、当該プログラムは危険と判断される仕組みだ。データベースに無ければ、検体をF-Secureに送信して、解析が行われる。F-Secureのセキュリティリサーチチームが新たな脅威を発見してから、世界に点在するデータベースに通知されるまでの時間は約60秒だという。

 このほか、ペアレンタルコントロール機能の強化点については、「URLのデータベースを充実させた。フランスの法令で、設置すべきカテゴリーが決められており、それに準じたものを追加した」という。なお、「F-Secure Internet Security 2009」のペアレンタルコントロール機能は、他社のフィルタリングソフトと併用できない。


日本エフ・セキュアの八木沼与志勝テクノロジー&サービス部長 Internet SecurityとAnti‐Virusの機能マップ ウィルス・スパイウェア・ルートキット対策

DeepGuard 2.0の概要 保護者管理機能の概要 保護者管理機能のカテゴリー

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.f-secure.co.jp/news/200809091/

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ペアレンタル機能などを強化した「F-Secureインターネットセキュリティ2008」(2007/09/18)


( 野津 誠 )
2008/09/09 20:10

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