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KLab、複数サーバーへのファイル転送システムをオープンソース化


 KLabは6日、実験サイト「クラブラボ」において、大規模サイト向けのファイル転送システム「MAKUOSAN(まくおさん)」をオープンソースとして公開した。

 MAKUOSANは、マルチキャストを利用して、複数のサーバーへ同時にディレクトリ構造をコピーできるファイル転送システム。「Multicasts All-Kinds of Updating Operation for Servers on Administered Network」の略だ。

 Webサイトを運用する上で、新しいプログラムやデータなどをWebサーバーに設置して利用できるようにする「デプロイ」という作業があるが、サイトの規模が大きくなりWebサーバーの台数が増えると、比例してファイル転送にかかる時間も長くなる。それにより、作業者の負担が増し、運用コストも増えるという。

 MAKUOSANの特徴は、転送時間がサーバー台数に依存しないこと。MAKUOSANの開発者によれば、「サーバー台数に関係なく、ほとんど同じ時間で完了する」とのこと。「ただし、転送時間は一番応答が遅いサーバーの性能に引っ張られるので、同程度のスペックのサーバーで構築された環境で利用することが望ましい」としている。

 また、マルチキャストを使って全サーバーへ同時にファイルを転送できるほか、MAKUOSANは全サーバーに常駐し、自動的にネットワーク上のサーバー構成を把握するため、サーバーの増設・撤去時に既設サーバーの設定を変更することがないといった特徴を持つ。KLabでは、同社のシステムインフラソリューション(DSAS)の機能としてMAKUOSANを組み込むことで、「今まで1時間かかっていた作業を10分にまで短縮することができた」という。

 開発者ブログによれば、「MAKUOSANは、DSASの都合に合わせて仕様を決めていたので、一見意味不明とも思えるオプションがあったり、この手のソフトでは当たり前に付いているはずの機能が未実装だったりもしています。しかし、これでも誰かの役に立てるのではないかと思い、オープンソースとして公開することにしました」と説明している。


関連情報

URL
  クラブラボ
  http://lab.klab.org/
  ニュースリリース
  http://www.klab.jp/press/2008/081106.html


( 野津 誠 )
2008/11/06 14:21

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