メールは、実際に人と会うことに比べて、誤解を生じさせる可能性が高いことはよく知られている。しかし、メールでもコミュニケーション能力を向上させる方法はあるとの分析結果が、米研究者によって発表された。
これは、シカゴ大学の社会学を研究する大学院生、Daniel A.Menchik氏とXiaoli Tian氏が最新の論文の中で論じたものだ。
論文では、「有名な科学研究組織が、リサーチパネルに関する不定期会合を一連のメールのやりとりに変更した場合」をケーススタディとしている。その結果、参加者たちは様々な問題に直面したが、障壁を乗り越える方法を見つけることができたとしている。
参加者たちが編み出した方法としては、大文字の使用、引用文、顔文字、感嘆符、句読点、箇条書、スタイル、色などの使用が、言葉やメッセージの意味を伝えるのに役立ったとしている。
一例として、単に「I feel betrayed」と書くよりも、「I FEEL SO BETRAYED!! ;)」と書くことができる。この場合、大文字と顔文字が文章に皮肉を込めていることをよりよく伝える方法となっている。
さらに参加者たちは、会話の流れを維持するため、過去のメールからカット&ペーストしたり、サブジェクトを有効に使用して、過去の議論を参照することができた。
また、メールの署名や軽い言い訳、送信者に関するちょっとした情報がしばしば用いられた。例えば、メールの署名の中のちょっとした情報によって、受信者は相手のことを少しだけ知ることができ、心地よさを覚える。また、メールを書いた時の状況、例えば「これは朝の5時に書きました」「休暇中にブラックベリーで書きました」といった軽い「言い訳」を書くことによって、メールを書くに至った状況を説明でき、誤解を避けることができたとしている。
この論文「Putting Social Context into Text: The Semiotics of E-mail Interaction」は、社会学の専門誌「American Jounal of Sociology」最新号に掲載されている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.journals.uchicago.edu/action/showStoryContent?doi=10.1086%2F%2Fpr.2008.11.24.1871
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/11/27 12:14
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