グーグルは1日、同社の定例記者説明会において、「Gmail」の動向について紹介した。Gmailを開発する上でのキーポイントや直近の機能追加内容を、グーグルの岸本豪プロダクトマネージャーが説明した。
● 日本のGmailアクティブユーザーは1年で8割増
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グーグルの岸本豪プロダクトマネージャー
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岸本氏は冒頭、「メールは手紙の代わりではなくなり、用途が多様化した」と説明し、「Gmailも、統合的なコミュニケーションプラットフォームとして、メール以外にチャット機能や大容量のディスクスペースを構築した」と述べた。
また、「オープンであることも重要」だと話す。「Gmailは広告収益で運営しているため、ビジネスとして考えた場合、Gmailに届いたメールを他のメールアカウントで読めるようにする転送機能や、メールクライアントで受信できるPOPダウンロード機能などは付けたくないが、ユーザーに便利なサービスを提供することで、使い続けてもらえるようにしたい」と説明した。
さらに、迷惑メールフィルタリングも重要視する。「Gmailに届く迷惑メールの数は年々増えており、現在は70%以上が迷惑メール」とのこと。Gmailでは、機械的なフィルタリングに加え、ユーザーが迷惑メールを報告できる機能を設けている。逆に、迷惑メール設定を解除できる機能もあるため、「迷惑メールを集める趣味があれば使ってほしい」と話す。
日本のGmailのアクティブユーザー(7日以内にログインしたユーザー)は、「2007年11月からの1年間で約8割増えた」という。PCと携帯電話で利用するトータルユーザー数だけでなく、携帯電話を中心に利用するユーザーも伸びている。「トータルの中に含まれる携帯電話ユーザーを主要国別に見ると、日本の利用数は1位」とのことだ。
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囲い込みではなく、好きだから使ってもらえるサービス目指す
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Gmailに届いた迷惑メールの推移。赤が迷惑メール総数、青がユーザーが迷惑メールを報告した数
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日本のGmailアクティブユーザー数の推移。携帯ユーザーは1月~2月と、7月~8月に急上昇
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● GmailはITに詳しいユーザーにも応えるべく開発・改良
日本のGmail開発チームは、絵文字と日本向けモバイルUIの開発に注力している。「絵文字は、米Googleの開発者が日本の携帯電話の絵文字文化に感銘を受け、2007年から開発を始めた。2008年1月から2月にかけて、モバイル版の絵文字に対応し、10月にはPC版でも対応した」と説明。グーグルは、絵文字をUnicodeとして標準化するプロジェクトを進めているが、それもGmailの絵文字対応が発端になっているという。
Gmailモバイル版UIは10月にリニューアルした。日本の携帯電話のJavaScriptやCSSの仕様に合わせ、当初はシンプルなUIだったが、変更後はメールの未読・既読がフォント色と背景色でわかるようにした。さらに、複数メールを選択できるチェックボックスを設置した。「日本の携帯電話でも実現できる機能を今後も増やしていきたい。PCではできるが、携帯電話だとできない機能が多いので、そのあたりも改善したい」。
このほか、11月に追加した「ビデオチャット機能」を説明。「従来の音声チャットだけではコミュニケーションプラットフォームとして不足だと考え、ビデオ機能を追加した。画質は回線に応じて変化するようになっており、ネットワーク環境に応じて最適なビデオチャットを実現できる」とコメント。同じく11月に追加した「テーマ変更」については、デモも交えて説明し、「時間や天気によって、デザインが変化するテーマもある」とした。
最後に岸本氏は、「Gmailはコンシューマ向けのプロダクトだが、GmailのユーザーはITに詳しく、要望のレベルが高い。Gmailでは、最も要求の厳しいユーザー向けに開発を行い、今後も改良を重ね、新しい機能を追加していく。また、そういったアプローチはエンタープライズ向けにも応えることになる」と語った。
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モバイル版UIの変更
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ビデオチャット機能
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選べるテーマの一部
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関連情報
■URL
Gmail
https://mail.google.com/
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( 野津 誠 )
2008/12/01 16:23
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