シマンテックは、11月のスパム動向をまとめた月例レポートを発表した。スパムメールを配信するボットネットおよびそれらの指令サーバーの多くをホスティングしていたとされる米国のISP「McColo.com」が遮断されたことにより、スパムメールが激減したという。
月例レポートによれば、McColo.comには以前から苦情が寄せられており、11月11日に同社の上位プロバイダー複数社がネットワーク接続を遮断。これに伴い世界規模でスパムメールが激減し、遮断前後の24時間の比較では65%減少したという。McColo.comの遮断により、「Rustock」や「Srizbi」など世界最大規模のボットネットも多大な影響を受けたという。
しかし、この傾向は一過性で、11月末にはスパムメールが再び増加。要因としては、「Canadian Pharmacy(カナダ薬局)」からの短いHTMLメールの急増を挙げている。カナダ薬局スパムに記載されているURLは、中国のトップレベルドメイン「.cn」を含む数百のドメインがあり、ネームサーバーはドメインと同じIPアドレス、もしくは中国にある他のIPアドレスにホスティングされていたという。
カナダ薬局スパムの増加により、メール全体でスパムが占める割合は、McColo.com遮断前と同じ水準の55%まで増えたとしている。遮断後は34%だった。
【お詫びと訂正 2008/12/12 11:25】
記事初出時、メール全体でスパムが占める割合について、McColo.comの「閉鎖前は34%」としていましたが、正しくは「遮断後は34%」です。お詫びして訂正いたします。
関連情報
■URL
月例スパムレポート(英文、PDF)
http://eval.symantec.com/mktginfo/enterprise/other_resources/b-state_of_spam_report_12-2008.en-us.pdf
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http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/security/2008/12/02/
( 増田 覚 )
2008/12/11 20:32
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